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タイでトリシティ155が発売か2

昨日の続き。タイでトリシティ155が発売する話。その前に、今日から鈴鹿8耐が始まります。

2016 コカ・コーラ ゼロ鈴鹿8時間耐久ロードレース
日時:2016年7月28日~7月31日
決勝戦の31日には BS12 トゥエルビで生放送する予定だそうです。
2016 鈴鹿8時間耐久 yamaha

鈴鹿が始まらなければ、夏も始まらない!今年もヤマハは気合を入れていて連覇を目指しているようなので、日曜日は応援しようかと。
で、トリシティ155の話に戻って。

TRICITY155 MWS150-A 2016 B881 ※ヨーロッパモデルの写真
TRICITY155 BB81

実を言うと、少し前からタイ向けの発売予想はしていた。これはヨーロッパ向けのトリシティ155のパーツカタログを見るとわかる。
あまり注目する人は少ないが、パーツカタログのイラストにはコードが振ってある。これに注目すると、2016年モデルのタイ向け BE21 というモデルと、同じくタイ向けの BB82 というモデルが出てくる。


まず、エンジン周りや車体周りで BE21 のイラストが多数使われている。

BB81 パーツカタログ Fig 17
BB81 parts catalogue fig 17

同様に車体周りなどでは BB82 のイラストが使われている。

BB81 パーツカタログ Fig 18
BB81 parts catalogue fig 18

簡単に説明すると、イラストコードの最初の4桁はモデルコードを表している。続く3桁は販売国や地域をさしていて、431 はタイのこと。ハイフンの次の R は年式を表していて、R は2016年を意味する。いくつか例外があるが、イラストを見るとどんなモデルのいつのイラストなのかわかる。

ヤマハのパーツカタログでは、全てのモデルでイラストを描いていたら大変なためか、部品構成が同じ場合は他モデルのイラストを流用する。つまり、BB81 では BE21 や BB82 のイラストを流用していることになる。ということは、開発段階では BE21 や BB82 の方が先行していたとも言える。

もう1つの手がかりとして、カラーコードがある。ヨーロッパ向け BB81 のカラーコードを見てみる。フランスの web 版パーツカタログで確認すると。

TRICITY155 B881 カラーコード
BB81_EPC_France

カラーコードが A からではなく B から始まっている。モデルコードが異なると、他のモデルに関係なく A から振ることが多いのだけど、たまに既にあるモデルコードとカラーコードを合わせることがある。タイ向けの BB82 では A に黒、B はヨーロッパと同じく WHITE METALLIC 6 を割り当てているので、その影響で WHITE METALLIC 6 を B にして、以降 C, D としたようである。そんなカラーコードからも、別のモデルの存在を感じられる。

せっかくの機会なので、1つ疑問に思っていることを。それは、燃料タンクの部品。BB81 のパーツカタログを見ると、燃料タンクの部品番号は BR7-F4110-00 である。BR7 というモデルコードはこれまでに出ていないはずなので、何の機種からの流用なのか謎である。これから出る別な国向けのトリシティなのか、同じ形状をした別のモデルを開発中なのか、それとも没になったモデルなのか。意外とミスという可能性もあるが。

BR7-F4110-00
BB81 petrol tank

BR7 のモデルコードはそのうち判明すると思うので、まずはタイの発売を待つばかりである。

YS125のエンジンとか

先日、中国で YS125 が発売となった。パーツカタログがアップロードされるのはもっと先かと思っていたが、昨日アップロードされた。

YS125-5 2016 BB61
YS125 BB61

年式は2016年で、モデルコードの BB61 も確認できた。


パーツカタログがアップロードされたので、エンジン周りを比較してみることにした。比較対象は中国の YS150 とインドの Saluto (YC125-5 2LP1) とブラジルの YBR125ED FI (B372) で、ブラジルモデルはガソリンでの値。

YS125
BB61
YS150
2SB1
Saluto
2LP1
YBR125FI
B372
中国 中国 インド ブラジル
モデル年 2016 2015 2015 2016
排気量 124.86 cc 149.31 cc 124.86 cc 124.86 cc
B × S 52.4×57.9 mm 57.3×57.9 mm 52.4×57.9 mm 52.4×57.9 mm
燃料装置 インジェクタ インジェクタ キャブレタ インジェクタ
馬力 7.8 kW 9.5 kW 6.1 kW 8.1 kW
トルク 10.8 Nm 13.0 Nm 10.1 Nm 11.3 Nm
バランサー
クラッチ数 4 枚 4 枚 2 枚 2 枚
ギア数 5 5 4 5
一次減速比 3.409 (75/22) 3.409 (75/22) 3.409 (75/22) 3.409 (75/22)
1速ギア比 2.714 (38/14) 2.714 (38/14) 2.833 (34/12) 2.714 (38/14)
2速ギア比 1.789 (34/19) 1.789 (34/19) 1.647 (28/17) 1.789 (34/19)
3速ギア比 1.318 (29/22) 1.318 (29/22) 1.143 (24/21) 1.318 (29/22)
4速ギア比 1.045 (23/22) 1.045 (23/22) 0.875 (21/24) 1.045 (23/22)
5速ギア比 0.875 (21/24) 0.875 (21/24) 0.875 (21/24)
二次減速比 3.071 (43/14) 2.929 (41/14) 3.214 (45/14) 3.071 (43/14)

ブラジルの YBR125ED FI B372 の4速ギア比は、オーナーズマニュアルは上記の値なのだけど、パーツカタログを見ると 22/23 になっている。

インドの Saluto ではバランサーと5速を廃してクラッチ枚数も減らし、その影響で燃費と価格に反映させている。バランサーをなくした振動対策のためか、エンジン上部のエンジンハンガーも無くなった。
中国の YS125 については、エンジン周りのギアは YS150 と共通化し、ドリブンスプロケットで排気量分の差をまとめている。中国経済がやや不安になってきているが、YS125 の売れ行きはどうなるだろうか。