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旧V-MAXの南アフリカ向け

昨日は旧 V-MAX の年式を一覧にした。一覧を見るとわかるが、モデルの終わりになって南アフリカ向けが発売され、さらに同じ年に2モデル出ていたりする。今日はその辺りの話を。

VMX12 2006 4C41
VMX12 4C41

旧 V-MAX の日本向けは1999年を最後に発売終了になった。その2年後の2001年にヨーロッパ向けも発売終了になった。それに合わせてか、2001年から南アフリカ向けが発売される。


そんな裏がありそうな雰囲気の南アフリカ向けモデルは、2003年、2005年、2006年に2つのモデルを発売している。この2つのモデルは何が違っているのか、気になって調べてみた。
違っているのはカムシャフトとキャブレターとキャニスター。それ以外は全く同じだった。じゃ、どんな構成だったのか2002年以降のモデルを北米モデルも入れて比較してみた。
CAL はカリフォルニア、CAN はカナダ、ZAF は南アフリカのこと。

code year cntry camshaft1 camshaft2 carburetor canister V-Boost
5GK9 2002 USA 1FK-12171-00 1FK-12181-00 1FK-1490x-02
5GKA 2002 CAL 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
5GKB 2002 CAN 1FK-12171-00 1FK-12181-00 1FK-1490x-02
5GKF 2002 ZAF 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
5GKC 2003 USA 1FK-12171-00 1FK-12181-00 1FK-1490x-02
5GKD 2003 CAL 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
5GKE 2003 CAN 1FK-12171-00 1FK-12181-00 1FK-1490x-02
5GKG 2003 ZAF 1FK-12171-00 1FK-12181-00 1FK-1490x-02
5GKH 2003 ZAF 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
5GKL 2004 USA 1FK-12171-00 1FK-12181-00 1FK-1490x-02
5GKM 2004 CAL 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-01 2WF-1490x-02
5GKN 2004 CAN 1FK-12171-00 1FK-12181-00 1FK-1490x-02
5GKP 2004 ZAF 1FK-12171-00 1FK-12181-00 1FK-1490x-02
5GKR 2005 USA 1FK-12171-00 1FK-12181-00 1FK-1490x-02
5GKS 2005 CAL 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
5GKT 2005 CAN 1FK-12171-00 1FK-12181-00 1FK-1490x-02
5GKU 2005 ZAF 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
5GKV 2005 ZAF 1FK-12171-00 1FK-12181-00 1FK-1490x-02
5GKW 2006 USA 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
5GKX 2006 CAL 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
5GKY 2006 CAN 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
4C41 2006 ZAF 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
4C42 2006 ZAF 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
4C43 2007 USA 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
4C44 2007 CAL 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02
4C45 2007 CAN 2WF-12171-01
3JP-12171-01
2WF-12181-00 2WF-1490x-02

わかったことは、2モデルある場合はカリフォルニア向けと同等のモデルと、それ以外の北米向けと同等のモデルの2種類だったということ。南アフリカというそれほど売れ行きが良いと思えない国向けに、それも南アフリカ国内で排気ガス規制が違っている地域があるとは思えないので、2モデルあるのは別の理由があると言うことでしょう。
総合的に考えて、この南アフリカ向けはそこからさらにどこかに再輸出されているということ。日本の場合でも、プレストが南アフリカ向けやカナダ向けを輸入して販売していた。

そんな謎多き南アフリカ向けモデル、実際に何台販売されてどこに行ったのか、どこかに資料はないものか。

ロシアモデルはいつ頃から

最近、排気量が大きなモデルでのロシア向けを良く見かけるようになってきた。いつ頃から増えてきたのか、調べてみた。


まず、ロシアでの販売について調べてみると、2005年4月に YAMAHA Motor CIS という新会社が設立されたとある。ロシアでの販売はこの時期からのようで、モデルを確認してみると2005年から XT660X/XT660R がラインナップにあがっている。

XT660R_5VK4_A_00

創立初期は販売店も少ないだろうし、メインはスノーモービルとあるのであまり自動二輪車に力を入れてなかったのか、ラインナップは5年ほど XT660 のみだった。それも、モデルコードはロシア独自のものではなく、ヨーロッパと共通だった。

XT660R_5VKA_catalogue

2012年から、XT660 以外の車種がラインナップにあがる。その中でも、XJ6N(20SH), XJ6S(36C8), XJ6SA(36D4), XP500A(59C7) がロシア向けのみのモデルコード。欧州向けとの違いを比較しようと思ったが、XJ6 の欧州向けは何故か2012年モデルがないので、欧州向け XP500A(59C2) と、ロシア向け XP500A(59C7) を比較してみることに。

TMAX_59C1_D_00

4つほど違いがあった。

  • ロシア向けは色が1色のみ(欧州向けは4色)
  • ハンドルの部品番号が違っている(ロシア向け:59C-26110-01、欧州向け:59C-26110-00)、部品番号末尾なので部品改善か
  • ロシア向けはインナーシールド中の部品にダンパが追加
  • ロシア向けはリフレクタが無い

ハンドルとダンパについては、2013年の欧州向けに採用されているので改善された感じ。つまり、実質リフレクタの有無だけになる。わざわざ分ける必要があるのかなと思ってしまう。

最新の機種ではどうかなということで、MTM850(XSR900) の2016年モデルでも比較してみることにした。

  • タンクのラベルが違う
  • ロシア向けにはスロットルケーブルにクランプがある(北米版と同じ)

と、違いはほぼ無いようなもの。さらにロシア向けにもリフレクタが付いている。

モデルの違いはおいて、ここで1つ可能性が出てくる。例えば、ウラジオストックなどロシア極東でも発売されると、これまで北米やオーストラリア、南アフリカなどから逆輸入していたモデルが、ロシアから入ってくるようになるかもしれないこと。

russia_import

距離が圧倒的に近いので、輸送費と言う面ではかなり有利である。果たして、そんな日が来るのだろうか。