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YA50 の年式

少し前に YA50 / YA90 アクシス の年式についてのリクエストがあった。それを見て YA50 / YA90 ね、と遠い目になってしまう。YA50 の日本向けだけなら把握しているが、台湾生産とそのヨーロッパ輸出版、加えてヨーロッパ生産もあって、深い闇となっている。さらに YA90 となると台湾生産の中南米向け、さらに中国生産とその海外向けがあり、雲を掴むようになってくる。情報的に苦しい状況なのだけど、今日は YA50 の年式についてを。

YA50T 1993 4DY1 [JOG]
YA50T 4DY1

YA50 の年式をきちんと調べるには、ヨーロッパ各国がネックとなってくる。何が問題かと言うと、1990年代のヨーロッパ向け 50cc は、国によってモデルコードが違っている上に MBK 版も出ている。そのため、ほとんど同じモデルでもモデルコードがいくつも存在している。時代はインターネット普及前ということもあり、モデルコードを全て確認するのが困難なのも輪をかける。


まずは、安心の日本向け YA50 の年式一覧について。日本向け YA50 は全て AXIS の名前で販売されていた。

code name year country remarks
3VP1 YA50 1990 日本 AXIS
3VP2 YA50D 1990 日本 AXIS
3VP3 YA50 1991 日本 AXIS
3VP4 YA50D 1991 日本 AXIS
3VP5 YA50H 1992 日本 AXIS pro foot
3VP6 YA50HS 1992 日本 AXIS pro foot
3VP7 YA50 1994 日本 AXIS
3VP8 YA50D 1994 日本 AXIS
3VP9 YA50 1997 日本 AXIS
3VPA YA50D 1997 日本 AXIS
3VPC YA50D 1997 日本 AXIS

AXIS pro foot は 50cc クラスのスクーターでは珍しくシート下トランクを燃料タンクに換装して、13リットルもの容量を稼いでいた。

続けて、台湾向け YA50 の年式一覧について。台湾向けは CABIN, JOG, JOR ER, JOG EX, JOG CUTE, GLIDE の名前で発売されていた。

code name year country remarks
3XG1 YA50 1991 台湾 CABIN
3XY1 YA50S 1991 台湾 CABIN
3XG2 YA50TZ 1992 台湾 CABIN
3XY2 YA50TS 1992 台湾 CABIN
4DY1 YA50T 1993 台湾 JOG
4JJ1 YA50F 1993 台湾 BIG TANK
4JL1 YA50Z 1993 台湾 JOG ER
4DY2 YA50T 1994 台湾 JOG
4JM2 YA50G 1994 台湾 JOG EX
3XG4 YA50 1995 台湾 CABIN
3XY4 YA50S 1995 台湾 CABIN
4NG1 YA50B 1995 台湾 CABIN
4DY8 YA50T 1996 台湾 JOG cute
4NG2 YA50B 1996 台湾 CABIN
5CR1 YA50W 1998 台湾 Glide
5CR2 YA50DW 1999 台湾 Glide

確認できなかったモデルコードがいくつもあり、モデル数はこの倍近くあるのではと考えている。

最後、かなり抜けがあると思われるヨーロッパ向けの YA50 の年式一覧について。ヨーロッパ向けは、仕様や仕向国によって AXIS, JOG, JOG Z, AXIS plus, AXIS Z, AXIS COSMO の名前で発売されていた。また、MBK 扱いで Forte の名前も使われていた。

code name year country remarks
4MJ1 YA50F 1994 スペイン AXIS
4MJ4 YA50R 1994 ギリシャ AXIS
4PC1 YA50R 1994 イタリア MBK FORTE
3UG1 YA50R 1995 ドイツ AXIS
3UG2 YA50R 1995 ドイツ MBK FORTE
4MJ5 YA50F 1995 スペイン AXIS
4PC4 YA50R 1995 イタリア MBK FORTE
4SC1 YA50ZA 1995 イタリア JOG Z
4SD1 YA50TA 1995 イタリア JOG
4SN1 YA50R 1995 オランダ AXIS
3UG1 YA50R 1996 スイス AXIS
4MJ2 YA50S 1996 スペイン AXIS plus
4MJ7 YA50F 1996 スペイン AXIS
4MJ8 YA50S 1996 スペイン AXIS Z
4MJ9 YA50R 1996 スペイン AXIS COSMO
4PC5 YA50R 1996 イタリア AXIS
4PC6 YA50R 1996 イタリア MBK FORTE
4SJ3 YA50R 1996 ベルギー、デンマーク AXIS
4SN2 YA50R 1996 オランダ AXIS
4SN3 YA50R 1996 オランダ AXIS COSMO
5AK1 YA50R 1996 ドイツ AXIS

ヨーロッパ向けでもだいぶ抜けがあると思っている。eBay で出ているマイクロフィルム版のパーツカタログなどを定期的にチェックすれば、いくつか埋まるかもしれないが、そこまで時間をかけられないし。

このヨーロッパ向けは、台湾生産モデルとフランスの MBK 工場生産モデルが存在するようで、MBK 生産のモデルはエンジンがミナレリ製である。日本ではこの所謂 3KJ のエンジンは互換性が多いため、アフターパーツが豊富である。ミナレリ製のエンジンも同様に、Aprilia や Italjet や MALAGUTI などでも採用されていたため、エンジン周りのアフターパーツはヨーロッパでも多く売られている。

次回は、日本向け YA50 のカラー一覧の予定。

DOXOU は独創 (AEROX DOXOU Ver)

8月にインドネシアで、GDR155 AEROX DOXOU Version が発売された。そのときは何も考えずに DOXOU という言葉はインドネシア語の言葉かと思っていた。

GDR155-A 2019 B65K [AEROX DOXOU Version]
GDR155 B65K

インドネシアでは、GDR155 として。
AEROX
AEROX R-Version
AEROX DOXOU Version
AEROX S-Version
AEROX R-Version MOTOGP Edition
が発売されている。売り上げ台数が多いと、このぐらいのバリエーションが出せる状況になる。日本からするとうらやましい思いである。


先日、ヤマハフィリピンの web ページを見て、驚いた。

MIO AEROX DOXOU Version

フィリピンでは AEROX に MIO の冠が付いて MIO AEROX となる。背景が上海なのは目を瞑ることにして、その MIO AEROX DOXOU Version の画像に「ドクソウ」と書かれているのである。つまり、DOXOU は日本語由来ということになる。このドクソウは、「独走」を意味するのだろうか。

調べてみるとベトナムでも昨年末から、EXITER と NVX(AEROX のベトナム版) で DOXOU バージョンが出ている。そこにも確かに「ドクソウ」とも書かれていた。

Exiter and NVX Doxou

DOXOU はやはり日本語由来のようだということがわかった。
この「ドクソウ」は「独走」なのか「独創」なのか「独奏」なのか、もしかして「毒草」なのか。各国の web ページを再チェックして、ヤマハフィリピンの T150 SNIPER の web ページで画像が見つかった。

Sniper DOXOU

この画像には、
BE UNIQUE – in Japanese meaning “creative” and “ahead of the trend”
と書かれている。これを読む限り、
DOXOU = ドクソウ = 独創
ということになる。DOKUSOU じゃなく DOXOU なのは、X が入って短くなり、さらに見た目も良いからなのでしょう。

DOXOU はインドネシア語ではなく日本語で、独走ではなく独創、という2度も予想を覆される言葉だった。ヤマハの東南アジア向け戦略で、これから長く使っていく言葉なのだろうか。日本人からすると、「YZF-R25 独創バージョン」などと付けられると、不思議を通り越して変な感じだけど。