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YZF690 [YZF-R7]の発売

今日は YZF690 [YZF-R7] の発売についてを。発売を待ってしまったため、だいぶ出遅れた感じはあるけど。YZF690 [YZF-R7] は5月18日に北米とヨーロッパで発売が発表された。6月に入って北米で発売され、ようやく情報が入って来た。

YZF690 2022 BEB1 [YZF-R7]
YZF690 BEB1

あの初代 YZF-R7 から比べると、かなり落ち着いたモデルになっており、YZF-R6 と比較してもやはり尖っている感じはしない。理由の1つに、YZF690 からわかる通りのエンジンで、MT-07 / Tracer 7 XSR700 / / Tenere と同系のエンジンを搭載している。


既に書いてしまっているが、モデル名は YZF690 となり、北米向けはモデルコードには BEB が振られた。まずは、いつものように、モデルコード一覧を。

code name year country remarks
BEB1 YZFR7N 2022 USA YZF-R7
BEB2 YZFR7C 2022 カリフォルニア YZF-R7
BEB3 YZFR7AN 2022 カナダ YZF-R7

ヨーロッパ向けはまだ発売されていないため控えておく。北米向けは日本製で、そのため日本でも発売が予定されている。気になるのはオーストラリア向けで、オーストラリアではボアダウンされた 655cc の Learner Approved 向け MT-07 も発売されており、YZF-R7 が発売となるとボアダウン版も発売されるのかどうか。

ざっと見て、まず驚いたのが、オプションのシートである。
https://www.yamaha-motor.ca/en/accessories/motorcycles/seats-backrests/touring-seat/B4C-247C0-11-00
何が驚いたかというと、オプションシートが MT-07 と共通なことである。つまり、YZF-R7 のシートは YZF-R7 用が装着されているものの、MT-07 と形状が同じということである。気になってフレームまで見比べると同じ形状で、さらにスイングアームもホイールまでも同じ形状。そのまま、YZF-R15 / MT-15, YZF-R25 / MT-25, YZF-R3 / MT-03 のような関係を MT-07 に持ち込んでいる。

これだと、YZF-R6 を乗っていたような人からすると「これじゃない感」がするのでは、と思ってしまう。さらに初代 YZF-R7 に乗っていた人からすると、「名前は同じだけど全く別物」と感じるのでしょう。この流用から見ても、YZF-R6 の公道向けモデルが発売終了となった理由も明白になってくる。

YZF-R6 2020 BN6N
YZF-R6 BN6N

YZF-R6 のエンジンやフレームは YZF-R6 のみでしか使われなかった孤高の存在だった。同じ排気量帯で気筒数が同じ FZ6 や XJ6 にもエンジンは流用されず、だからこそ速さを求めるだけに特化できた存在。最終的にはそれが仇となって、発売終了になってしまった。

街中で YZF-R6 の性能をどこまで使い切ることができるかを深く考えてしまうとと、新しい YZF-R7 の存在は悪くない選択だとは思える。そして価格も安くなるとさらにありがたい。ただ、初代 YZF-R7 や YZF-R6 に乗っている人を見ると、自動二輪車乗りとしては、「良い言い方」で【快適さより価格より、ただただ速さを求めた人】なんだろうなと畏怖の念を抱く。「悪い言い方」だと【ネジが飛んで行った人】になるのかもしれないけど。
新しい YZF-R7 だと、それは感じないだろうなという個人的な思い。そもそも新しい YZF-R7 は YZF-R6 と比べるようなモデルではないことは確かである。

XS125[XSR125]の発売と写真

YZF-R7 の発売が話題となっているが、先週下書きした XS125 [XSR125] の発売についてを、内容を変えて。
先週、ヨーロッパヤマハで XSR125 が発表された。モデル名は XS125 で、フレーム型式は RE44 、モデルコードは今のところ不明である。

XSR125 2021
XSR125 2021

製造はフランスの MBK 工場ではあるものの、タイヤはインドネシア製の IRC だったりと、コストダウンできる部分は輸入している。そんな状況からも、ヨーロッパにおいて 125cc とあれど色々と厳しいようである。エンジンは YZF-R125 や MT-125 と共通で、フレームも流用している。


下書きでは、ここでスペックなんかを書いていたのだけど、調べればどこにでもある情報なので、今回は製品の写真なんかに焦点を当てることにする。ヨーロッパヤマハの web サイトには、XSR125 の写真がいくつか掲載されている。

XSR125

この街中での写真は、今年の4月24日と、25日にポーランド第三の都市、Łódź (と書いてウッチと読むらしい)で撮影されたもの。撮影したのは、イタリア人のカメラマン Marco Campelli で、この人は自動二輪車の写真を得意としていて、ヤマハ以外でも Ducati や MV Agusta などの製品の写真も撮っている方。
今回の屋外の写真では、車体を直立に近い姿勢で撮るために、何枚かの写真で金属製の簡易スタンドを使っている。この形のものは初めて見た。

XSR125

遠景で車体全体が写るように撮るときは、サイドスタンドで止めないと不自然な感じをうける。そのため、こういった金具を使うことはないのだけど、今回の写真では使った上に中途半端な形で写っている。

XSR125

ポスター前での横からの写真でも、写っている。これぐらいだったら、消してしまっても良いと思うのだけど、そこは撮影者の Marco の拘りなのかもしれない。

XSR125

この簡易スタンドには滑り止めも付いてなさそうなため、風の強い日だったら倒れてしまうだろうなと思った。しかし、この傷を見る限り、実際に倒してしまったのかもしれない。こここそは修正すべき部分だと思うけど。

XSR125

ということで、今回はモデル写真が気になったのでそこに焦点を当ててみた。この XSR125 は、YZF-R125 と同様に日本に入ってくるのは難しいでしょう。正規販売は販売台数から望めないだろうし、並行輸入業者も価格面から輸入しないだろうし。
次回は、そろそろ YSDS の話でもしようかと考えている。