「モデル研究」カテゴリーアーカイブ

台湾でLimiの発売

10日ほど前に、先月少し書いた Limi が台湾で発売された。

XC115C 2017 BT52 [Limi]
XC115C BT52

CUXI のバリエーションモデルかとも予想していたが、そのまま Limi という名前で発売された。このペットネームは日本やヨーロッパでは語感が微妙な気がして採用されない気がする。


以前書いたが、モデル名は XC115C でモデルコードは BT5 になる。通常モデルと豪華版の2モデルがラインナップされる。

code name frame year country remarks
BT51 XC115C SEE21 2017 台湾
BT52 XC115CA SEE22 2017 台湾 豪華版

CUXI が主に女性向けのイメージに対して、Limi が直線的なデザインで男性向けのイメージかと書いたが、プロモーションには台湾の女性が採用されている。特に男性向けというイメージをしていないようである。

XC115C BT51

フレームは CUXI のフレームを流用し、後部を少し延長している。フロントフォークやエンジンは CUXI のものをそのまま使っているが、外見が大きく変わっているのを見ると、うまくやっていると感心してしまう。

XC115C BT51 [Limi]
XC115C BT51
XC115N 2016 1SH8 [CUXI]
XC115N 1SH8

せっかくなので、2つの画像をアニメーション GIF にして比較してみる。

XC115C / XC115N
XC115C / XC115N

ヘッドライトが LED で、デザインも含めて先進的なイメージを持っていて、CUXI とうまく対比したデザインになっている。

プレスト扱いはないだろうけど、アトラスあたりが輸入して人気を得れば日本での発売も見えてきそうな感じ。台湾での評価もあるだろうから見極めが難しいところだけど。個人的には日本で受け入れられそうなデザインではないかと思う。

XJR1300の各国モデル比較

今日は XJR1300 の各国向けモデルの比較をしようかと。

XJR1300 2008 5WMK
XJR1300 5WMK

XJR1300 は日本、ヨーロッパ、南アフリカ、オーストラリアで販売されていたモデルで、モデルコード一覧を見るとわかるように日本向けだけ少し扱いが違っている。


XJR1200 の場合は、理由はよくわからないがスペイン向けだけモデルコードが別になっていた。それとは別にオーストリアとスイス向けはキャブレタが違っていてヨーロッパ向け 4PU とは別のモデルコード 4RB が付いていた。
XJR1300 では2001年まではドイツ・オーストリア・フィンランド向けが別のモデルコードになっており、2002年から2006年まではドイツ向けが別のモデルコードになっている。これは、XJR1300 の馬力が馬力制限を越えてしまったためである。2006年の UK 向けとドイツ向け、2005年の日本向けのスペックを比較してみる。

model XJR1300 XJR1300 XJR1300
code 5WMD 5WME 5UX8
UK ドイツ 日本
年式 2006年 2006年 2005年
排気量 1251 cc 1251 cc 1250 cc
B×S 79.0×63.8 79.0×63.8 79.0×63.8
圧縮比 9.7 : 1 9.7 : 1 9.7 : 1
馬力 78.1 kW 72 kW 74 kW
トルク 106.2 Nm 103.4 Nm 98 Nm
キャブレタ BS37 BS37 BS37

ヨーロッパ向けとドイツ向けではイグナイターの部品番号が異なっており、キャブレタのジェット類は同じなので、イグナイターで馬力の制限をしているようである。簡単に言うと、イグナイターを交換するだけで6馬力ほど上がるということである。
ヨーロッパ向けと日本向けではキャブレタのジェットから違っており、イグナイターも違うので、イグナイターだけ交換しても8馬力は上がらないでしょう。

オーストラリア向けの写真はヨーロッパ向けの写真を流用していることが多いのだけど、2011年モデルの写真はちゃんとオーストラリア向けのものが用意されていた。と言っても CG で付け足したもの。2011年モデルの日本向けとヨーロッパ向けとオーストラリア向けの比較をしてみる。

XJR1300 5UXH 日本
XJR1300 5UXH B
XJR1300 5WMS ヨーロッパ
XJR1300 5WMS A
XJR1300 5WMT オーストラリア
XJR1300 5WMT A

わかりやすいのが、リアのナンバー下にあるリフレクタの位置で、日本向けはナンバーのすぐ下にあるのだけど、ヨーロッパ向けとオーストラリア向けはだいぶ下に伸ばして装着されている。あとは、クランクケースカバーに貼られている EFERO のシールもわかりやすいかな。オーストラリア向けの特徴はサイドにリフレクタが付いていることで、2011年モデルだとフロントフォークについている。

それと気になるのが、日本向け以外ではオイルクーラーへのホースの色が明るくなっている。それだけなら良いけど、マフラーの一部もなんだか変な感じに明るくなってしまって、2011年降の XJR1300 の写真では全て同じように明るくなっている。CG での色選択をミスしたっぽい。

XJR1300 5WMS A

と言うことで、長かった XJR1300 ウィークは一旦終了にする。