「モデル研究」カテゴリーアーカイブ

モデルコードを知るには

今日はどうやってモデルコードを知るのか?の話を。書いていたらだいぶ長くなってしまったが。

XP530 2017 BX34 Japan
XP530 BX34

先日、年式を教えてくださいとか、モデルコードを教えて下さいと言った質問の書き込みがあった。私はそんなサービスをやっていないし、個人が趣味でやっていることなので、メールアドレスが書き込まれている人には「ヤマハに聞いてください」とあっさりと返した。


じゃ書いているモデルコードはどこから入手しているのか。そのやり方は、一言で言うと「大きな画像を探している」だけである。
例えば、昨日 YZF-R15 のモデルコードは「多分 BK6 になる」と書いた。なぜそうなったのかと言うと、まずインドネシアのヤマハにある YZF-R15 のページを見た。

YZF-R15 2017 インドネシアのページ

エンジンのシリンダーの写真が出ていた。シリンダーだけにしてみると。

YZF-R15 2017 シリンダー
YZF-R15 2017 シリンダー

よくよく見ると、文字が見えている。

YZF-R15 2017 シリンダー拡大
YZF-R15 2017 シリンダー拡大

これを見ると最初の文字は B か 3 に、二番目の文字は K か R に、三番目の文字は 6 か G だろうかとわかる。このエンジンは YZF-R15 で初めて使われたので、この英数字はモデルコードになっている可能性が高い。
次に別の画像を探す。インドネシアでは3月24日に YZF-R15 の披露会を行った。「大きい画像」を探して、見つけたのがこのメータ周りの写真。

YZF-R15 2017 メータ
YZF-R15 BK6 メータ

注目するところは、メータじゃなくてクラッチのケーブル。そこに部品番号が描かれている。

YZF-R15 2017 クラッチケーブル
YZF-R15 BK6 クラッチケーブル

これを見ても、BK6 だか BR8 だかに見える。他の画像も見ながら、これは BK6 だろうな、ということになった。

他にも2017年モデルの XP530 TMAX が出たときは、モデルコードが「未確認だけど BC3 になる」と書いた。このときも、発表時にプレスサイトが掲載した写真の中から、「大きな写真」をまず探した。それで見つけたのが、この写真。

XP530 BC31 TMAX DX
XP530 BC61 TMAX

何の変哲もない写真だけど、ドライブベルトを大きくしてみると。

XP530 BC31 TMAX DX ドライブベルト
XP530 BC61 TMAX ドライブベルト

BC3 という文字が確認できる。駆動系を一新しているし、BC3 はそれまでに使われていなかったので、ここは BC3 でしょうということになった。そんな感じで、「大きな画像を探して」モデルコードを類推しているに過ぎなく、一個人がモデルコードを知るにはこのぐらいの調べ方をしている。

本当にちゃんとしたモデルコードが知りたい場合は、新車時に貼り付けられている管理用のシールを確認するのが近道。XP530 TMAX SX の日本向けでは、こんな感じの管理用のシールが貼られている。

XP530 TMAX SX BX34 管理用のシール
管理用のシール

モデル名からモデルコードから色まで、きちんとした情報が得られる。
新車時の管理シールが確認できなくても、モデルコードのシールがシート下やメットイン内に貼られているので、それを見れば確認することもできる。

XC125E BF93 [AXIS TREET] モデルコードのシール
XC125E BF93 モデルコードのシール

2017年の MWS125 Tricity がヨーロッパで発表されたときにも、「大きい写真を探して」この写真があった。

MWS125 BR71 Tricity
MWS125 BR71 Tricity

メットインの中のモデルコードのシールを確認すると、見辛いが BR71 を確認できる。

MWS125 BR71 Tricity ラベル
MWS125 BR71 Tricity ラベル

それ以外でも参考になるのが、ガソリンタンクに貼られているシールや、空気圧などのタイヤ情報のシールである。

タイヤ情報シール
タイヤ情報シール

このシールの右下には部品番号が描かれている。新機種であった場合、この部品番号もモデルコードの参考となる。

タイヤ情報シール
タイヤ情報シール

モーターサイクルショーや展示会で、発売前のモデルを展示していることがある。そんな展示されたモデルを掲載している web ページを検索して、できるだけ「大きな画像」を探す。ほとんどが外観を写したものなので、「そんな写真はみんな撮ってるから、シート下とかシールの写真を」と心の中で思ってしまう。
そんな感じの私流モデルコードの知り方。

ひっそり2017年モデル

そろそろアクシス Z のパーツカタログがヤマハの部品情報検索に掲載されるころなので、今か今かとチェックしていたりする。そんな部品情報検索を見ていて、ひっそり2017年モデルが出ているモデルがいくつもあったので、まとめてここに。

XT250 2017 B1H1 [SEROW]
XT250 2017 B1H1

このひっそり2017年モデルが出ているモデルは発売終了が決まっていたり、発売終了が噂されているものばかり。


まずは、CP250 MAXAM から。CP250 は販売中だったの2014年と2015年のカラーを引き継いで、2017年モデルとして発売された。2014年モデルからの一覧を。

code name year colour remarks
1B7E CP250 2014 DARK GRAY METALLIC N
VERY DARK ORANGE METALLIC 1
MAXAM
1B7F CP250 2015 SILKY WHITE MAXAM
1B7G CP250 2017 DARK GRAY METALLIC N
VERY DARK ORANGE METALLIC 1
MAXAM
1B7H CP250 2017 SILKY WHITE MAXAM

続けて XT250 SEROW の2017年モデル。2016年と同じカラーリングで発売されている。

code name year colour remarks
1YBN XT250 2016 PURPLISH WHITE SOLID 1 / DCM2
BEIGE
PURPLISH WHITE SOLID 1 / DYRC4
SEROW
B1H1 XT250 2017 PURPLISH WHITE SOLID 1 / DCM2
BEIGE
PURPLISH WHITE SOLID 1 / DYRC4
SEROW

2017年のモデルコードが新しく B1H になっているので、1YB のモデルコードは使い切ったのだっけと思い、2016年からの 1YB のモデルコードを調べてみた。

code name year country remarks
1YBH XT250G 2016 USA
1YBJ XT250GC 2016 カリフォルニア
1YBK XT250G 2016 カナダ
1YBM XT250G 2016 オーストラリア
1YBN XT250 2016 日本 SEROW
1YBP XT250 2016 フィリピン SEROW
1YBR XT250H 2017 USA
1YBS XT250HC 2017 カリフォルニア
1YBT XT250H 2017 カナダ
1YBU XT250H 2017 オーストラリア

あと4つ空いてそうなのに、モデルコードを新しく振り直したようである。

XT250 とは兄弟モデルの XT250X の2017年モデル。前のモデルは2008年だったので、10年近く新しくモデルコードが振られていない状態だった。2008年モデルと、2017年モデルの表を。

code name year colour remarks
5C13 XT250X 2008 PURPLISH WHITE SOLID 1
5C14 XT250X 2017 PURPLISH WHITE SOLID 1

XT250 とは同じエンジンを搭載した XG250 トリッカーの2017年モデル。トリッカーも前のモデルは2014年なので3年ぶり。

code name year colour remarks
5XTB XG250 2014 MAT BLACK 2
DEEP ORANGE METALLIC 7
TRICKER
5XTC XG250 2017 MAT BLACK 2
DEEP ORANGE METALLIC 7
TRICKER

XVS250 ドラッグスターの2017年モデル。販売中だった2013年と2015年と2016年のカラーを2017年モデルとして発売。

code name year colour remarks
19D6 XVS250 2013 DEEP RED METALLIC K DragStar
19D7 XVS250 2015 MAT GRAY METALLIC 3 DragStar
19D8 XVS250 2016 BLUISH WHITE PEARL 1 DragStar
19D9 XVS250 2017 BLUISH WHITE PEARL 1 DragStar
19DA XVS250 2017 MAT GRAY METALLIC 3 DragStar
19DB XVS250 2017 DEEP RED METALLIC K DragStar

排気量があがって、400cc クラスに。まずは、ドラッグスター XVS400/XVS400C の2017年モデル。継続販売中だった濃い赤がなくなったが、それ以外は2017年モデルとして発売。

code name year colour remarks
35C7 XVS400C 2014 BLACK METALLIC X
VERY DARK RED METALLIC 2
DragStar
35C9 XVS400C 2016 BLUISH WHITE PEARL 1 DragStar
35CA XVS400 2016 MAT GRAY METALLIC 3
BLUISH WHITE PEARL 1
DragStar
35CB XVS400C 2017 BLACK METALLIC X DragStar
35CC XVS400 2017 MAT GRAY METALLIC 3
BLUISH WHITE PEARL 1
DragStar
35CD XVS400C 2017 BLUISH WHITE PEARL 1 DragStar

そして最後に SR400 の2017年モデル。去年2016年に発売していた60周年記念モデルが無くなって、2016年の通常モデルを引き継いだ。

code name year colour remarks
3HTX SR400 2016 DARK GRAYISH LEAF GREEN METALLIC 1
YAMAHA BLACK
3HTY SR400 2016 LIGHT REDDISH YELLOW SOLID 1 60th Anniv.
B0H1 SR400 2017 DARK GRAYISH LEAF GREEN METALLIC 1
YAMAHA BLACK

SR400 も新しいモデルコード B0H が振られている。これは 3HT を使い切ってしまったため。この感じだと、モデルコードが B0H の最初で最後のモデルになりそう。

他のモデルについては、2017年モデルが出たということでニュースリリースが出ている。上記に挙げられたモデルについては色も装備も変更がなかったためニュースリリースはなかった。色も装備も変更がないのになぜ2017年モデルとしてモデルコードが付けられたのか。それは平成28年排出ガス規制の影響のようである。

平成28年排出ガス規制は、継続生産車について2017年8月いっぱいまで対象とならない。前にモデルコードを振っているのであえて振り直す必要はないとは思うのだけど、排出ガス規制前ということで新たに振り直して8月いっぱいまで生産をするためなのでしょう。平成28年排出ガス規制ではさらに OBD システムやキャニスターの装着が必要となってきたりして、価格の上昇は避けられない。排出ガス規制もあるので馬力にも影響するだろうし、新車を購入するなら今年が良い機会になっている。

そんなことを考えながら、アクシス Z のパーツカタログを待つ日々。