「発売情報」カテゴリーアーカイブ

TMAXの2017年モデル

ようやく2017年モデルの TMAX の情報が入ってきた。

XP530D-A [TMAX DX] 2017 BC31

まず、モデル名が変更になった。これまで排気量が 530cc に変更になっても XP500 のままであったが、2017年モデルから XP530 となる。


モデルコードは以前 BC3 と書いたが、BC3 は TMAX DX のモデルコードで、TMAX SX は BX3 に、TMAX は BV1 になる。また、それぞれのモデル名も XP530D / XP530 / XP530E となり、ABS が付くのでサフィックスに -A が付いたものとなる。
いつものようにモデル名とモデルコードを一覧にする。

code name year country remarks
BC31 XP530D-A 2017 ヨーロッパ TMAX DX
BX31 XP530-A 2017 ヨーロッパ TMAX SX
BV11 XP530E-A 2017 ヨーロッパ TMAX

機関系は2016年の 2PW から大きな変更はないものの、排ガス規制のためかマフラーは触媒が入って大きな形状変更となった。また、スペックでは減速比に変更はないが、Vベルトやドライブフェイスの部品番号が新しくなっているようなので何らかの変更がされたようである。ベルト用のドリブンスプロケットも変更になった影響で、リアのホイールも変更になっている。

話が変わるが、新しい TMAX の2017年モデルである XP530 を調べていて違和感を感じた。どうも XP530 から管理体制の変更があったみたいである。
この件についてはパーツカタログが見られるようになったとき何かしら判明すると思うので、改めて書く予定。

2017年3月14日追記
この管理体制の変更についてはパーツカタログのイラスト型式が変更になったことによるものであった。パーツカタログのイラスト変更について書いたので、そちらも参考に。

AG125が発売されそう

昨年の11月、ニュージーランドのヤマハで AG125 の発売予告があった。

AG125 LOGO

AG100 の後継機種で、そのときなんとなく DT125 のエンジンを積んで AG100 のエンジン製造をやめるだけだと思っていたが、ここにきて情報をもらったりして詳細がわかってきた。


AG125 は中国製で、何と YBR125 系のエンジンを搭載するようである。
確かに、発売予告のページを読み直すと、
A reliable 124cc air cooled four-stroke engine delivers plenty of smooth, controllable power.
と書いてあり、4ストロークエンジンの採用ということがわかる。

改めて Youtube にあがっている動画を見ると、YBR125 系のエンジンのようである。

AG125 Youtube
AG125 Youtube

詳細についての情報を1月にもらったのだけど、そのときモデルコードが B7H という話だった。そこから情報を探してみたものの詳細がわからず。
先日、改めて調べてみるとモデルコードは BF8 になるようである。今わかっているモデルコードはこんな感じになる。

code name year country remarks
BF81 AG125 2017 南米、アフリカ
BF82 AG125H 2017 オセアニア

色は AG100 と同じく青と赤の2種類ある。気になるガソリンタンク容量は11リットルで、前19インチ、後18インチのタイヤを装備。キャブレタは MV28 を採用しており、そのキャブレタやエアクリーナ、メーター周りは XTZ125 のものを流用している。

話を少し変えて、ペルーでは YB125 の車体を使った農業向けモデルの YB125 Chacarera が発売されている。

YB125 Chacarera 2016 2XP2
YB125 Chacarera 2016 2XP2

YB125 Chacarera は YB125 のエンジンをそのまま流用していたため、牧場向けの1速(スーパーロー)を装備していなかったし、左右サイドスタンドもなかった。
同様にニュージーランドでは XTZ125 に装着するファームキットが発売されている。

XTZ125 FARM KIT
XTZ125 farm kit

新しく発売される AG125 はこの YB125 Chacarera と XTZ125 を合わせて農場・牧場モデルにしたような感じで、牧場向けの1速や左右サイドスタンドも装備している。
これまでは後付けで農場・牧場向けにした中途半端なものだったけど、専用で発売してしまおうということなのでしょう。簡単にギア比の一覧を出してみる。

model AG125 XTZ125 YBR125 YBR125
code BF82 B761 2MP4 51D3
販売国 オセアニア 中国 中国 欧州
年式 2017年 2015年 2014年 2014年
プライマリ 3.400
(68/20)
3.400
(68/20)
3.400
(68/20)
3.400
(68/20)
1速 3.000
(33/11)
2.643
(37/14)
2.643
(37/14)
2.643
(37/14)
2速 1.778
(32/18)
1.778
(32/18)
1.778
(32/18)
1.778
(32/18)
3速 1.316
(25/19)
1.316
(25/19)
1.316
(25/19)
1.316
(25/19)
4速 1.045
(23/22)
1.045
(23/22)
1.045
(23/22)
1.045
(23/22)
5速 0.875
(21/24)
0.875
(21/24)
0.875
(21/24)
0.875
(21/24)
セカンダリ 3.571
(50/14)
3.429
(48/14)
3.214
(45/14)
3.214
(45/14)

AG125 の1速の減速比である 33/11 は、インド製の Gladiator で使われていた比率と同じである。
牧場向けの自動二輪車の1速ギア比は、牛の歩く速度に合わせてあるという話なのだけど、それにしてはちょっと低い気がする。

他の装備を確認したところクラッチロックとブレーキロックの採用は見送られたようである。その2つがあると坂の多い場所では非常に便利で、わざわざ別の機種にこのロック付きレバーに替える人がいるぐらいなのに。モデルチェンジがあるとすれば、ぜひ採用してもらいたいものである。

YBR125 系のエンジンはインドで生産をやめてしまい、ブラジルでも生産機種が TT-R125 のみになり、中国でもここ3年ほど新製品の発売がない状態だった。世界的にインド製の SALUTO などに搭載されている新しい 125cc エンジンにシフトして、新機種の発売はないものと思っていたため、この AG125 の発売はかなりの驚きだった。AG100 が43年間売られていたことを考えると、もうしばらく YBR125 系エンジンの製造は続きそうである。
それにしても、発売が楽しみである。

Special thanks to Joseph