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MTの末弟MT125

MT シリーズ発売初期にあった鼓動というコンセプトはだんだん薄くなり、それと共に売れてきたのは皮肉なことだけど、そんな MT シリーズで一番排気量が少ない MT125 の話を。

MT-125_5D7L_A_00

フレームを含めて全体的な構成は YZF-R125 と同じもの。2015年に使っていたモデルコードは 5D7 で YZF-R125 と共通であるぐらい。2016年から新しいモデルコード BR3 を使い出した。同じモデルコードで、欧州以外にもイスラエルやトルコでも発売している。

code name
year
photo
5D7C MT125
2015
MT-125_5D7C_A_00
MT-125_5D7C_B_00
5D7D MT125A
2015
5D7L MT125
2015
MT-125_5D7L_A_00
5D7M MT125A
2015
BR31 MT125
2016
MT-125_BR31_A_00
MT-125_BR31_B_00
BR32 MT125-A
2016
BR33 MT125
2016
MT-125_5D7L_A_00
BR34 MT125-A
2016

製造はヤマハフランスと言うか MBK の工場。125cc で欧州の A1 免許向けとなっているが、値段の影響かアジアなど市場に向けて輸出はされていない。


フルカウルモデルは倒立フォークで、ネイキッドになると正立フォークにしたりすることが過去によくあったが、MT-125 はそのまま倒立フォークを採用。YZF-R125 同様の軽量ホイールに対向4ポットのブレーキを装備している。これだけでもかなり魅力的。

YZF-R15_5D7C_B_10

YZF-R125 を買って MT125 風にしたりと遊ぶのは面白そうだけど、いかんせん値段が高い。タイ辺りで生産して安くしてくれないものかな。

鼓動の旧MT-03

今日は、旧 MT-03 の話。現在発売している MT-03 ではなく、ヨーロッパで発売していた 660cc の MT-03 のこと。区別をするために「旧」と付けた。

MT-03_5YK2_C_00

エンジンは XT660 と共通のものを搭載していて、特徴的なのはリアのサスペンションがエンジン右横に付けられていること。気になる左側面の写真は。

MT-03_5YK2_C_01

シングルエンジンだけど排気側が2バルブでポートもそのまま2つ出しているため、エキゾーストパイプが2本出ている。一度集合した後にシート下で再び2本に別けられて後方排気となっている。サスペンションが横にあるからこそできる排気管の取り回し。


モデルコードは 5YK で、2012年モデルでは 2BF となった。また、2007年にブラジルへ輸出されていて、モデルコードは 29D だった。2008年までは、当時の免許制度に合わせて馬力が 25kW のモデルを発売。

code name year country remarks
5YK1 MT-03 2006 欧州
5YK3 MT-03 2006 欧州 25kW model
5YK2 MT-03 2007 欧州
5YK4 MT-03 2007 欧州 25kW model
5YK5 MT-03 2008 欧州
5YK6 MT-03 2008 欧州 25kW model
29D1 MT-03 2008 ブラジル
5YK7 MT-03 2009 欧州
5YK9 MT-03 2011 欧州
2BF1 MT-03 2012 欧州、南アフリカ

ちょっと確実ではない話だけど、もともと MT-03 はヤマハのイタリア工場で生産していた。しかし、2009年にイタリア工場を閉鎖した関係で、2011年モデルの 5YK9 はヤマハのスペイン工場で生産となった。さらに、このスペイン工場も閉鎖してしまったため、2012年モデルの 2BF1 はフランス工場と言うか MBK の工場で生産となった。そのため、モデルコードが変更になったようである。

2009年の MT シリーズのカタログを眺めていたら、そのコンセプトが「鼓動」と言うことで、英語のカタログにも漢字が入っている。その入れ墨は何か違う。

MT-03_5YK7_cat_p2_e

さらに見ていたら、ガソリンタンクに「鼓動」の文字。いやいやいや、そこに漢字は無いな、と言うか撮影のために書いたのでしょ、と思っていたところ。

MT-03_5YK7_cat_p9_e

実機の写真にもちゃんと「鼓動」の文字が。スズキの「隼」は、自動二輪車に乗る人にとって世界共通語に近くはなったけど、「鼓動」は難しいし、こんな中途半端なところに貼らなくても。

MT-03_5YK7_B_00

パーツカタログを確認してみると、確かに2009年のモデルでは「鼓動」の文字があった。しかし、タンク一式のアッシーに含まれているため、ステッカーだけでは入手できない。ちょっと残念。

MT-03_5YK7_pcat_fig27_00

そんなヨーロッパ向けの、日本ではあまり知られてない車種。街中で MT-25 やその兄弟車の MT-03 を見かけることがあったら、この MT-03 も思い出してあげて欲しい。