MBK ブランド自動二輪車の終焉

TRICITY 300 のことを調べていて、ふと MBK 版の TRYPTIK 300 も出るのかなと調べたのが始まり。そこで、手元の資料を見て MBK の自動二輪車2019年モデルが全く発売されていないことに気が付いた。

MWS125 2018 BU57 [TRYPTIK 125]
MWS125 2018 BU57

とうとうヤマハは MBK ブランドで自動二輪車を発売するのをやめってしまったようである。MBK の web ページも2018年に入ってからずっと工事中のままであるし。


手元の資料から、MBK ブランドで販売された最後と思わる2018年モデルの一覧を出してみた。2018年モデルであるので、2017年中に発表しているモデルである。

code name pet name yamaha name
1GB6 NS50F NITRO 4T AEROX 4
2ACP YN50FU OVETTO 4 NEO’S 4
BV38 GPD125-A OCITO NMAX 125
BW55 LTS125-C FLIPPER D’ELIGHT
BR78 MWS125-A TRYPTIK TRICITY 125
BU57 MWS125-C TRYPTIK TRICITY 125
BL22 YP125RA EVOLIS 125 XMAX 125
3VPC YP400 EVOLIS 400 XMAX 400

2017年モデルでは、上記以外に BOOSTER, STUNT, MACH G, EVOLIS 300 もラインナップしていた。
21世紀最初の頃は、UK やフィンランドなどヨーロッパ各地で MBK ブランドの自動二輪車を発売していたが、2008頃からはフランスとベルギー向けのみとなって、とうとうそれもやめてしまったこととなった。

販売店はどうなったのか、Google 検索や地図検索で確認してみた。自転車販売店では、そのままの看板で継続して MBK 製品を売っているようであった。自動二輪車販売店ではヤマハの看板にしたり、MBK をやめてしまっていたり、MBK の看板のままだったり。

自転車周りでは未だ MBK ブランドは使われているし、フランス工場製自動二輪車のパーツカタログにも MBK Industrie と書かれているところから、ヤマハは完全に MBK の名前を消してしまう訳では無いようである。と言っても、Motobécane から MBK へとなって継続されたものの、自動二輪車のブランドとして消えてしまうのは寂しいところ。

TMAX がモデルチェンジして XP560 に

ヨーロッパで現地時間の11月3日に、モデルチェンジや新機種の発表があった。今日はそのなかで、モデルチェンジして排気量が増えた TMAX XP560 についてを。発表では トリシティの 300cc 版である MW300 の発売もあったので、そっちも気になるところだけど。

XP560 2020 B7M1 [TMAX Tech MAX]
XP560 2020 B7M1 [TMAX Tech MAX]

このモデルチェンジでは、ボアが 2mm アップされて、561.9cc となった。発売当初の 499.5cc から 530.2cc となって、2度目の排気量アップである。


分かっているモデルコードはヨーロッパ向けだけだが、恒例なのでいつものようにモデルコード一覧を。ヤマハヨーロッパのページを見て、DX 版も出たと勘違いしていたが、現在掲載されている TMAX DX は XP530 の方である。

code name year country remarks
B3T1 XP560E 2020 ヨーロッパ TMAX
B7M1 XP560D 2020 ヨーロッパ TMAX Tech MAX

モデルコードやパーツカタログを見る限り、先行開発が B7M の XP560D であったようである。モデルコードから憶測すると、2019年モデルとしても出てもおかしくないぐらいなのだけど、タイミングを待ったのか開発に時間がかかったのか2020年モデルとなった。

このモデルチェンジでは外見の変更は少なく、エンジン周りを中心に変更された。XP530 の最終である XP530D-A BC3D と写真で比較してみる。

XP530 2019 BC3D [TMAX DX]
XP530 BC3D
XP560 2020 B7M1 [TMAX Tech MAX]
XP560 B7M1

ブレーキランプからのリアカウルと、フロントウィンカー周りに変更があったものの、大きく印象が変わっていはいない。各種新機能などは、紹介サイトがいくつもあるので、そちらに任せることにして、XP500, XP530, XP560 でエンジン周りを中心に変更を追ってみる。

code 5GJ1 BC31 B7M
model XP500 XP530D XP560D
country 欧州 欧州 欧州
year 2001 2017 2020
ボア×ストローク 66.0 × 73.0 68.0 × 73.0 70.0 × 73.0
排気量 499.5 530.2 561.9
圧縮比 10.1 : 1 10.9 : 1 10.9 : 1
最大馬力 29.4 kW 33.8 kW 35.0 kW
最大トルク 45.8 Nm 53.0 Nm 55.7 Nm
エンジンオイル量 3.6 l 3.5 l 3.5 l
スパークプラグ CR7E CR7E LMAR7G
燃料容量 14.0 l 15.0 l 15.0 l
全長 2235 mm 2200 mm 1690 mm
全幅 775 mm 765 mm 765 mm
全高 1410 mm 1420~1555 mm 1420~1555 mm
軸距 1575 mm 1575 mm 1575 mm
最低地上高 130 mm 125 mm 125 mm
装備重量 217 kg 216 kg 220 kg

シリンダーブロックの幅は変わっていないので、まさにギリギリまでボアアップしている。

排気量アップの裏には排出ガス制限があるので、一概に性能に繋がる訳ではないが、進化しているのは確かである。個人的には性能を落とさずに排気量ダウンするのも、技術力のアピールとしては悪くはないと思う。市場が嫌うかもしれないけど。