CV50 の年式1

今日は CV50 の年式のうち、1980年代に発売されたモデルについてを。いつも思うのだけど、1980年代になると資料が少なくて大変。

CV50E 1981 5G6 [BELUGA]
CV50E 5G6

1980年代の CV50 は、日本で BELUGA の販売名で発売された。海外では RIVA の名前で発売されるものの、CV80 ほど海外に輸出されなかった。これは、すぐに CA50 (日本では SALIENT の販売名)が RIVA として発売されたためで、価格的に見ても CA50 の方が有利だったのでしょう。CV80 では廉価版の CA80 が発売されなかったため、CV80 は CV50 よりもかなり長い間海外で発売されていた。


1980年代なのでいつもよりもちょと確度が落ちるが、いつものように年式一覧を。

code name year country remarks
5G6 CV50E 1981 日本 BELUGA
5G7 CV50 1981 日本 BELUGA
17L CV50E 1982 日本 BELUGA
39H CV50 1983 西ドイツ
39J CV50 1983 オーストリア
44F CV50 1984 欧州 SACHS へ OEM
46H CV50L 1984 USA RIVA

44F の CV50 は SACHS (正確には FICHTEL SACHS AG) へと OEM 供給された。SACHS へ OEM 供給していたが、SACHS の会社名を付けて販売されていた訳ではなく、SACHS に買収された HERCULES のブランド名で発売され、HERCULES CITY 50 としてヨーロッパで発売された。

HERCULES は日本ではあまり聞きなれない会社・ブランドで、UK にも同名の自動二輪車製造会社があったため混乱してしまうこともあるが、市販車で初めてヴァンケル(ロータリー)エンジンを搭載した自動二輪車 W-2000 を製作したことで有名である。W-2000 を発売した当時、HERCULES は既に SACHS に買収されていて、UK では DKW が販売していたこともあり、W-2000 についてどう表現すれば正確になるのか難しいところもある。

CV50 1984 44F [HERCULES CITY]
CV50 44F HERCULES

どうも 39H / 39J も HERCULES CITY だったようなのだが、資料が乏しくて確定するまでに至らなかった。
ヨーロッパ向けでも USA 向けでも法的な理由により、ウィンカーの形状変更や位置変更が行われている。また、パッセンジャー用のステップや、シートのベルトと二人乗りの装備も有していた。

CV50L 1984 46H [RIVA]
CV50L 46H

せっかくなので、日本向け、欧州向け、USA 向けを写真で比較してみる。

CV50E 1982 17L [BELUGA]
CV50E 17L
CV50 1984 44F [HERCULES CITY]
CV50 44F
CV50L 1984 46H [RIVA]
CV50L 46H

CV50 でも仕向国によってシートやキャリアが異なっているのがわかる。

BELUGA とはシロイルカの種類で、それもあって日本で発売されていた BELUGA のイメージカラーは白が使われている。逆に言うと、赤い BELUGA って何?感じになるのだけど、そんなことを考えるのは野暮ということでしょう。

CV50 の年式の前に

CE50 [JOG] のことを書いた流れで CV50 のことを書こうかと気軽に考えていたが、調べてみると想像以上に大変なことに気が付いた。やめようとも思ったが、途中まで書いたため、やれるところまで続けることに。いつも以上に更新の時間がかかるかもしれないけど。

CV50ZR 2007 5SW7 [JOG ZR]
CV50ZR 5SW7

CE50 に比べて何が大変かと言うと、海外向けの存在である。CE50 でも1980年代が含まれていて海外向けもあったが、CV50 ではその量が多いのである。モデルコードは確認できても、本当に販売されているかなどのチェックが色々と大変。


まず、CV50 は大きく2つに分けられる。
1つ目は1980年代に発売された、日本では BELUGA という販売名だったモデル。海外では RIVA や OEM 先で HERCULES CITY の販売名で発売された。

CV50E 1982 17L [BELUGA]
CV50E 17L

2つ目は21世紀に入ってから JOG の販売名で発売されたモデルで、日本で生産していたが途中で台湾生産に切り替えられた。このモデルも海外で販売されていたが、販売名は海外でも JOG のままであった。

CV50A 2001 5KN3 [JOG C]
CV50A 5KN3

CE50 のときもそうだったが、写真を見ると20年の歳月でどう進化したのかがわかる。
この2つ目のモデルでは、全てのモデルに該当しないが多機能リモートコントロールキーを装備していたため、「リモコン JOG」とも呼ばれている。

ざっと2つに分けただけでも、OEM や生産国変更など、厄介そうな話が出てきている。次回は見ただけでもその大変な感じがする1980年代の CV50 の年式についてを。SACHS の話はどこまで触れようかなど、まだまだ考え中。今日は BELUGA の名前に因んで、モデルの写真を白で統一してみた。