YZF-R25/YZF-R3 2019年モデル発表

先週の10月11日に YZF-R25 / YZF-R3 のモデルチェンジが世界同日に発表された。ようやくと言う感じで、今日はその遅れたことを含めて書こうかと。

YZF250 2019 BS71
YZF250 BS71

リリースが発表されたのは、インドネシア、ヨーロッパ、USA 、カナダで、製品の詳細までは発表していないがタイでもニュースリリースに掲載された。


形状比較やスペック比較については、色々なところで既に行われているので省略して。まずは発売となったインドネシア向けモデルコード一覧を。モデルコードは BS7 が振られた。

code name year country remarks
BS71 YZF250 2019 インドネシア
BS72 YZF250 2019 インドネシア Movistar

先日書いたヨーロッパ向けの YZF-R125 と同じように、YZF-R25 のモデル名が YZF250 とこのタイミングで変更になった。YZF-R6 が YZF600 になったところから始まり、YZF-R15, YZF-R125 と続けて、YZF-R25 も変更されたため、YZF-R3 もこのタイミングで YZF320 となりそうである。ペット名は引き続き YZF-R25 が使われている。

モデルコードが BS7 となったが、同じインドネシア製造の YZF-R25 でモデルコード BS8 のモデルが既に発売されている。この BS8 は、2018年モデルの日本とトルコ向けの YZF-R25A で、BS81 が日本向け、BS82 がトルコ向けである。今回発売になった YZF-R25 BS7 のシフトペダルのシャフトに BS8 のパーツが使われていたり、モデルコードが隣り合っていることからもわかるように、BS7 の開発は BS8 の開発と同じぐらいのタイミングで始められていた。

YZF-R25 2018 BS81 (日本)
YZF-R25 BS81 C

しかし、BS7 は BS8 と違い、モデルチェンジということで発売までに時間がかかった。この時間差がマイナーチェンジとモデルチェンジの違いということである。それに加えて、BS7 の発売は今年の7月と決定していたが、3か月遅れて10月の発売となった。この3か月の遅れの理由についてを詳しそうな人に聞いてみたのだけど、「品質の関係」という濁された答えだった。
確かに YZF-R25 / YZF-R3 では2016年、2017年とリコールが出ており、それもギアやタンク裏のブラケット、メインキーなど、改善対処が面倒な不具合。代替部品や作業工賃だけでかなりの経費となっている。

YZF-R25 recall

その過去から、品質管理を強化したと言われれば納得できる。それを踏まえると、今回のモデルチェンジでエンジンやフレームに手を加えられていないこともリコールを嫌って安全策を採ったのではと少し疑ってしまったりもしてしまう。色々な思惑があっての、今回のモデルチェンジだったのでしょう。

せっかくの機会なので、これまで発売された YZF-R25 と YZF-R3 のモデルコード一覧を、と思ったがかなり長くなったので、またの機会にして。2017年2月の YZF-R25 / YZF-R3 のリコールで各国向けの対象が何台だったのか、表にしてみる。

国/地域 モデル 対象台数
日本 YZF-R25 10294台
YZF-R25A 2683台
YZF-R3A 2188台
インドネシア YZF-R25 22243台 (推定)
YZF-R25A 1620台 (推定)
ベトナム YZF-R3 880台
UK YZF-R3A 897台 (含 MT-03)
USA YZF-R3 14320台
カナダ YZF-R3 2760台
オーストラリア YZF-R3A 3480台 (推定)

推定とあるのは、対象の車体番号から割り出した数字。全体を見る限り主戦場はインドネシアということがわかる。ヨーロッパ全体の推定台数は5440台で意外と少なく、逆に売り上げが減っていると言われている日本でも15000台を超えていて世界的に見ると多い。日本人の新しいもの好きも影響しているのだろうけど、少し驚いた。

他国を見ると、YZF-R25 よりも YZF-R3 を販売している国が多く、両方を販売しているのは日本ぐらいである。YZF-R25 / YZF-R3 は東南アジアからヨーロッパまで、世界各国で発売されており、その世界戦略や品質の背景を踏まえて今回のモデルチェンジを考えると、また別なものが見えてくる。

YTM225のカラー~セローの露払

あまり ATV に肩入れする気はないのだけど、折角 YTM225 の年式について書いたので、YTM225 のカラーについても。日本では販売されることがなかったモデルなので、見る人が少なそうな気もするけど。

YTM225DX 1985 29U
YTM225DX 29U

海外の web ページなんかを見ていると、1985年以降の YTM225DR についての情報が少なく、その状況を見る限りはモデル後期に販売数が伸びなかったのではないかと予想している。YTM200 や、YTZ250 など、近い排気量での競合もあったり、YFM225 への移行もあって、分散された影響もあるのでしょう。


黄色がメインカラーのようで、各年で発売されている。黄色も含めて1980年代のモデルなので、今と違って色名が単純である。いつものように、カラー一覧を。

code year photo
29U 1983 COMPETITION YELLOW
YTM225DX 29U 1983 A
29U 1984 COMPETITION YELLOW
YTM225DX 29U 1984 A


YAMAHA BLACK
YTM225DX 29U 1984 B
29U 1985 SKY BLUE
YTM225DX 29U 1985 A


COMPETITION YELLOW
YTM225DX 29U 1985 B


YAMAHA BLACK
YTM225DX 29U 1985 C
1EV 1985 SKY BLUE
YTM225DX 1EV A


COMPETITION YELLOW
YTM225DX 1EV B


YAMAHA BLACK
YTM225DX 1EV C
1NV 1986 COMPETITION YELLOW
YTM225DX 1NV A
2FW 1987

ハンドル右のブレーキはフロントのドラムブレーキ用となる。ハンドル左と右フットブレーキはどこに繋がっているか確認すると、リアのディスクブレーキへと繋がっている。つまり、リアのディスクブレーキは油圧式ではなく、ワイヤーで引っ張る機械式。その昔、機械式ディスクブレーキの自動二輪車に乗ったことがあって、ブレーキの効きは握力勝負だった。フットブレーキの場合は、どんな具合になるのか少し興味がある。

YTM225DX 1983 29U
YTM225DX 29U

このハンドル左のブレーキレバーはセローと共通の 23X-83912-00 が使われている。それがどうしたという感じなのだけど、YTM225 も含めた ATV ではブレーキロックが装備されており、坂が多い地域ではこれがあると非常に便利なのである。左側のレバーなので、セローに流用するとクラッチロックになるが、ニュートラルに入れずに済むので、これはこれであると便利な機能。AG200 のブレーキロックやクラッチロックを他のモデルに流用する人がいるぐらいなので、YTM225 のブレーキロックが簡単に流用できると、愛好者にとってはありがたくなる。実際に流用できるかは、やってみないとわからないけど。

そんなセローに流用したくなる装備が満載の YTM225 であるが、日本で販売されなかったため部品の入手が微妙な状況。不動車でも良いので手に入れば、あれやこれやと実験することができるため、きっと楽しい時間が過ごせそうである。