XT250セローが再発売

XT250 SEROW が月末に発売されるので、今日はそのセローについて。このタイミングになったのは、パーツカタログが公開されるのを待っていたため。

XT250 2018 B7C1
XT250 B7C1

1年前に排ガス規制の影響で、XT250 SEWOW が発売終了となってしまった。これは日本向けのみで、北米やオーストラリア向けについては継続発売であった。そして、今月31日にようやく日本で再発売されることになった。


まずは、以前「ひっそり2017年モデル」と書いたなかで 1YB のモデルコードについて触れたので、モデルチェンジ前の 1YB と B1H についてまとめておく。まずは、モデルコード 1YB について2016年以後を。

code name year country remarks
1YBH XT250G 2016 USA
1YBJ XT250GC 2016 カリフォルニア
1YBK XT250G 2016 カナダ
1YBM XT250 2016 オーストラリア
1YBN XT250 2016 日本 SEROW
1YBP XT250 2016 フィリピン SEROW
1YBR XT250H 2017 USA
1YBS XT250HC 2017 カリフォルニア
1YBT XT250H 2017 カナダ
1YBU XT250 2017 オーストラリア
1YBV XT250J1 2018 USA
1YBW XT250J1C 2018 カリフォルニア
1YBX XT250J2 2018 カナダ
1YBY XT250J 2018 オーストラリア

年式は前後したが、これで 1YB のモデルコードを全て使い切ってしまった。タイミング的にその後、日本での XT250 SEROW の発売が決まったために、B1H のモデルコードが割り振られた。続けて、その B1H のモデルコードについて。

code name year country remarks
B1H1 XT250 2017 日本 SEROW
B1H2 XT250P 2017 日本 SEROW

B1H2 の XT250P は一般販売されない消防や警察向けのモデルで、2014年にも 1YBA として発売していたが、日本での発売終了ということで B1H2 として再発売となった。

1YB は上述の通り使い切ってしまったので、北米とオーストラリア向けも日本向けで使われた B1H を使うと思ったが、2019年モデルとして B1U が割り振られた。その B1U のモデルコード一覧を。

code name year country remarks
B1U1 XT250K1 2019 USA
B1U2 XT250K1C 2019 カリフォルニア
B1U3 XT250K2 2019 カナダ
B1U4 XT250K 2019 オーストラリア

パーツカタログを眺めたが、B1U になって特に部品の変更は入っていないため、やはり単純にモデルコードを使い切ったための割り振りである。

そして、今月末に発売となる日本向け XT250 SEROW は、B1U のモデルコードを使わずに、B7C が使われて B7C1 となった。表にするまでもないが、一応表にして。

code name year country remarks
B7C1 XT250 2018 日本 SEROW

既に北米向けなどで2019年モデルが発売されているが、日本向けは2018年モデルとしての発売となる。

ようやく発売される XT250 SEROW の話になるが、パーツカタログを見る限りエンジン周りはだいぶ変更が加えられている。スペックを比較すると、重量は 3kg 増えているが、最大馬力も最大トルクも、燃料消費率もあがっている。排ガス規制での重量増は仕方ないにしても、エンジンを改善して馬力も燃料消費率もあげてきたヤマハには称賛を送りたいし、大変だったのだろうと想像できる。この辺りの値については色々な web サイトで取り上げているので、どこかを参照してもらうにことにして、外観の比較を行ってみることに。リア周りが XT250X のそれに近いものになったようなので、XT250X の2017年モデルと、XT250 SEROW の2017年モデルと、今回発売になる XT250 SEROW の2018年モデルと、XT250 の2019年の USA モデルを比較してみる。

XT250X 2017 5C14 (日本)
XT250X 5C14
XT250 2017 B1H1 (日本)
XT250 B1H1
XT250 2018 B7C1 (日本)
XT250 B7C1
XT250 2019 B1U1 (USA)
XT250 B1U1

やはり、外観での違いはリア周りが XT250X のようになった。
気になるのは2017年以前のモデルに、2018年のモデルの部品を使って2018年モデルの馬力と燃料消費率が出せるかである。CDI のキャブレターモデルだとまだ出来そうな感じがするが、ECU のフューエルインジェクタ―モデルだと難しそうな気がする。まずは、カムの高さを比較してからだけど、長くなったのでこの続きはまた今度にしたいと思う。

web版パーツカタログのこれから

今日は web 版パーツカタログについての話を。この話は、先日書いた MTX850 NIKEN のパーツカタログを見るため、UK ヤマハの web 版パーツカタログにアクセスしたことから始まる。

YAMAHA PATS CATALOGUE

ありがたいことに、ヤマハは日本でもヨーロッパでもカナダなどでも、web 版のパーツカタログを公開している。アクセスしてみるとわかるが、web 版パーツカタログは Flash を使ったもので、個人的にはそのためだけに Flash Player を有効にした IE をわざわざ起動している。
この Flash については、Flash Player を作っている Adobe が2020年末に提供を終了すると発表しており、HTML5 の技術などもあって世の中からも消えつつあるものである。


ヤマハはどのタイミングでこの Flash をやめて、新しい web 版パーツカタログを公開するかと注視していたのだが、つい最近 UK ヤマハの web 版パーツカタログが Flash を使っていないものに変わった。

YAMAHA Parts Electric Catalogue on UK

モバイル端末でも表示できるような柔軟性のある web ページで構成されている。そのため、小さな画面でも表示できるようになっていて、PC で操作するとやや大きすぎる部分などがあったりするが、これまでの操作になれていれば迷うことはない仕上がりになっている。

仕様が変更される可能性があるが、パーツカタログのイラストについて Referer なし(違うページから)でもアクセスできるようになっている。例えば、下のリンクのような形でクリックしたら見られるようにもなるし、このページに直接イラストを貼ることもできる。
http://sss.yamaha-motor.co.jp/ypec/illust/B/BD51300DT010.PNG
さすがに iframe で指定されている web ページについては、直接アクセスするとエラーとなる。

ここから少し難しい話で。
昨年あたりから、ヤマハはパーツカタログに関する web ページを sss.yamaha-motor.co.jp というサーバに順次移動をしており、パーツニュースもそのサーバ配下に移動している。この sss.yamaha-motor.co.jp では Amazon Web Service (AWS) を使っており、今回の Flash を廃した新しい web ページも sss.yamaha-motor.co.jp へのアクセスとなる。しかし、実際のパーツに関するデータは今まで使っている parts.yamaha-motor.co.jp というサーバから json データで取得しており、今回の UK 向け web 版パーツカタログは完全移行という訳ではないようである。

この先2年で、parts.yamaha-motor.co.jp のサーバから sss.yamaha-motor.co.jp のサーバへと移行が行われる計画だと予想している。これは、parts.yamaha-motor.co.jp 側のサーバでは Apache 2.2.3 という12年前のサーバソフトウェアを使っており、OS は RedHat (多分、RHEL)となっている事情からである。
RedHat で Apache 2.2.3 を使っていて、特にカスタマイズしていないならば RedHat 5.9 というバージョンであり、このバージョンは通常サポートが既に切れている。延長サポートも2020年11月30日までとなっているため、サポート終了後も使えなくはないが、安全を考えるとこの日までにサーバの OS を入れ替えるか、新しいサーバに移行する必要がある。そんな背景があって、FLASH を使った web ページの廃止と共に、sss.yamaha-motor.co.jp への移行を進めていると思われる。

難しい話となってしまったが、UK を皮切りにこれから新しい仕組みの web 版パーツカタログに切り替えられるでしょう。ようやくこれで Flash を捨てることができるので、早く日本のヤマハでも、新しい仕組みのものに変更して欲しいところ。

2018年11月5日追記
ヨーロッパでの web 版パーツカタログが変更になったので、そちらも参考に。