Vino125 – ビーノの125cc版

今日は Vino の 125cc 版である Vino 125 を。

VINO125_5YRA_A_00

Vino 125 は、2000年に台湾で登場した。この最初の Vino は Vino Bianco 125 という名前で、モデルコードは 5JS だった。


Bianco R というモデルも出て、このモデルコードは 5JS2。Bianco R は Vino R 125 など、別な呼び方もされている。

BiancoR_5JS2_logo

今回は Bianco は除外し(実はあまり資料がないのもある)、2004年から台湾や北米で発売されていた 5YR の系統を。

code name year country
5YR1 YJ125S 2004 USA
5YR2 YJ125S 2004 カナダ
5YR3 XC125VG 2004 台湾
5YR4 YJ125T 2005 USA
5YR5 YJ125T 2005 カナダ
5YR6 YJ125V 2006 USA
5YR7 YJ125V 2006 カナダ
5YR8 YJ125W 2007 USA
5YR9 YJ125W 2007 カナダ
5YRA YJ125X 2008 USA
5YRB YJ125X 2008 カナダ
5YRD XC125VE 2009 USA
5YRE XC125VF 2009 カナダ
5YRF XC125Z 2010 USA
5YRG XC125Z 2010 カナダ
5YRH XC125A 2011 USA
5YRJ XC125A 2011 カナダ

5YRD から XC125 とモデル名の変更があるが、資料によっては YJ125 のままであったりと統一が取れていない。カナダの web 版パーツカタログでは、それ以前でも XC125 が付いていたりして、何が正解なのかよくわからない。手元の資料をいくつか参考にして、上記の表のようにしたが、YJ125 と XC125 と両方で呼ばれていることに留意してもらいたい。

Vino125_5YR9_ep_cat_00

残念なことに、この Vino 125 は2011年モデルを最後に発売を終了してしまった。ちょっとモデル年が離れているが、台湾モデルと北米モデルの比較をしてみる。

VINO125_5YR3_A_00
台湾向け 5YR3
VINO125_5YRD_B_00
US 向け 5YRD

見た目での違いは、リアのウィンカーやリフレクタ、キャリアが確認できる。キャリアはグラブバーと分かれていて、ヤマハの部品情報検索で黒いキャリア 5JS-F4842-00-1V を探すと販売終了だけど、メッキの 5JS-F4842-00-98 は5206円で在庫あり。ひょっとしたら入手できるかもしれない。

外見以外で一番大きな違いは、ガソリンタンクの容量で、台湾向けの方が量が多く 5.1 リットルとなっている。一方の北米向けは 4.5 リットル。ガロン換算での誤差とかではなく、タンクの部品番号から違う。また、重さの確認はできなかったが、ウェイトローラーの重さも異なっている。キャブレタやマフラーの部品番号も異なるので、入手して比較するのも面白そうである。

鼓動の旧MT-03

今日は、旧 MT-03 の話。現在発売している MT-03 ではなく、ヨーロッパで発売していた 660cc の MT-03 のこと。区別をするために「旧」と付けた。

MT-03_5YK2_C_00

エンジンは XT660 と共通のものを搭載していて、特徴的なのはリアのサスペンションがエンジン右横に付けられていること。気になる左側面の写真は。

MT-03_5YK2_C_01

シングルエンジンだけど排気側が2バルブでポートもそのまま2つ出しているため、エキゾーストパイプが2本出ている。一度集合した後にシート下で再び2本に別けられて後方排気となっている。サスペンションが横にあるからこそできる排気管の取り回し。


モデルコードは 5YK で、2012年モデルでは 2BF となった。また、2007年にブラジルへ輸出されていて、モデルコードは 29D だった。2008年までは、当時の免許制度に合わせて馬力が 25kW のモデルを発売。

code name year country remarks
5YK1 MT-03 2006 欧州
5YK3 MT-03 2006 欧州 25kW model
5YK2 MT-03 2007 欧州
5YK4 MT-03 2007 欧州 25kW model
5YK5 MT-03 2008 欧州
5YK6 MT-03 2008 欧州 25kW model
29D1 MT-03 2008 ブラジル
5YK7 MT-03 2009 欧州
5YK9 MT-03 2011 欧州
2BF1 MT-03 2012 欧州、南アフリカ

ちょっと確実ではない話だけど、もともと MT-03 はヤマハのイタリア工場で生産していた。しかし、2009年にイタリア工場を閉鎖した関係で、2011年モデルの 5YK9 はヤマハのスペイン工場で生産となった。さらに、このスペイン工場も閉鎖してしまったため、2012年モデルの 2BF1 はフランス工場と言うか MBK の工場で生産となった。そのため、モデルコードが変更になったようである。

2009年の MT シリーズのカタログを眺めていたら、そのコンセプトが「鼓動」と言うことで、英語のカタログにも漢字が入っている。その入れ墨は何か違う。

MT-03_5YK7_cat_p2_e

さらに見ていたら、ガソリンタンクに「鼓動」の文字。いやいやいや、そこに漢字は無いな、と言うか撮影のために書いたのでしょ、と思っていたところ。

MT-03_5YK7_cat_p9_e

実機の写真にもちゃんと「鼓動」の文字が。スズキの「隼」は、自動二輪車に乗る人にとって世界共通語に近くはなったけど、「鼓動」は難しいし、こんな中途半端なところに貼らなくても。

MT-03_5YK7_B_00

パーツカタログを確認してみると、確かに2009年のモデルでは「鼓動」の文字があった。しかし、タンク一式のアッシーに含まれているため、ステッカーだけでは入手できない。ちょっと残念。

MT-03_5YK7_pcat_fig27_00

そんなヨーロッパ向けの、日本ではあまり知られてない車種。街中で MT-25 やその兄弟車の MT-03 を見かけることがあったら、この MT-03 も思い出してあげて欲しい。