今日は、旧 MT-03 の話。現在発売している MT-03 ではなく、ヨーロッパで発売していた 660cc の MT-03 のこと。区別をするために「旧」と付けた。
エンジンは XT660 と共通のものを搭載していて、特徴的なのはリアのサスペンションがエンジン右横に付けられていること。気になる左側面の写真は。
シングルエンジンだけど排気側が2バルブでポートもそのまま2つ出しているため、エキゾーストパイプが2本出ている。一度集合した後にシート下で再び2本に別けられて後方排気となっている。サスペンションが横にあるからこそできる排気管の取り回し。
モデルコードは 5YK で、2012年モデルでは 2BF となった。また、2007年にブラジルへ輸出されていて、モデルコードは 29D だった。2008年までは、当時の免許制度に合わせて馬力が 25kW のモデルを発売。
code | name | year | country | remarks |
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5YK1 | MT-03 | 2006 | 欧州 | |
5YK3 | MT-03 | 2006 | 欧州 | 25kW model |
5YK2 | MT-03 | 2007 | 欧州 | |
5YK4 | MT-03 | 2007 | 欧州 | 25kW model |
5YK5 | MT-03 | 2008 | 欧州 | |
5YK6 | MT-03 | 2008 | 欧州 | 25kW model |
29D1 | MT-03 | 2008 | ブラジル | |
5YK7 | MT-03 | 2009 | 欧州 | |
5YK9 | MT-03 | 2011 | 欧州 | |
2BF1 | MT-03 | 2012 | 欧州、南アフリカ |
ちょっと確実ではない話だけど、もともと MT-03 はヤマハのイタリア工場で生産していた。しかし、2009年にイタリア工場を閉鎖した関係で、2011年モデルの 5YK9 はヤマハのスペイン工場で生産となった。さらに、このスペイン工場も閉鎖してしまったため、2012年モデルの 2BF1 はフランス工場と言うか MBK の工場で生産となった。そのため、モデルコードが変更になったようである。
2009年の MT シリーズのカタログを眺めていたら、そのコンセプトが「鼓動」と言うことで、英語のカタログにも漢字が入っている。その入れ墨は何か違う。
さらに見ていたら、ガソリンタンクに「鼓動」の文字。いやいやいや、そこに漢字は無いな、と言うか撮影のために書いたのでしょ、と思っていたところ。
実機の写真にもちゃんと「鼓動」の文字が。スズキの「隼」は、自動二輪車に乗る人にとって世界共通語に近くはなったけど、「鼓動」は難しいし、こんな中途半端なところに貼らなくても。
パーツカタログを確認してみると、確かに2009年のモデルでは「鼓動」の文字があった。しかし、タンク一式のアッシーに含まれているため、ステッカーだけでは入手できない。ちょっと残念。
そんなヨーロッパ向けの、日本ではあまり知られてない車種。街中で MT-25 やその兄弟車の MT-03 を見かけることがあったら、この MT-03 も思い出してあげて欲しい。