ヨーロッパで現地時間の11月3日に、モデルチェンジや新機種の発表があった。今日はそのなかで、モデルチェンジして排気量が増えた TMAX XP560 についてを。発表では トリシティの 300cc 版である MW300 の発売もあったので、そっちも気になるところだけど。
XP560 2020 B7M1 [TMAX Tech MAX] |
このモデルチェンジでは、ボアが 2mm アップされて、561.9cc となった。発売当初の 499.5cc から 530.2cc となって、2度目の排気量アップである。
分かっているモデルコードはヨーロッパ向けだけだが、恒例なのでいつものようにモデルコード一覧を。ヤマハヨーロッパのページを見て、DX 版も出たと勘違いしていたが、現在掲載されている TMAX DX は XP530 の方である。
code | name | year | country | remarks |
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B3T1 | XP560E | 2020 | ヨーロッパ | TMAX |
B7M1 | XP560D | 2020 | ヨーロッパ | TMAX Tech MAX |
モデルコードやパーツカタログを見る限り、先行開発が B7M の XP560D であったようである。モデルコードから憶測すると、2019年モデルとしても出てもおかしくないぐらいなのだけど、タイミングを待ったのか開発に時間がかかったのか2020年モデルとなった。
このモデルチェンジでは外見の変更は少なく、エンジン周りを中心に変更された。XP530 の最終である XP530D-A BC3D と写真で比較してみる。
XP530 2019 BC3D [TMAX DX] |
XP560 2020 B7M1 [TMAX Tech MAX] |
ブレーキランプからのリアカウルと、フロントウィンカー周りに変更があったものの、大きく印象が変わっていはいない。各種新機能などは、紹介サイトがいくつもあるので、そちらに任せることにして、XP500, XP530, XP560 でエンジン周りを中心に変更を追ってみる。
code | 5GJ1 | BC31 | B7M |
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model | XP500 | XP530D | XP560D |
country | 欧州 | 欧州 | 欧州 |
year | 2001 | 2017 | 2020 |
ボア×ストローク | 66.0 × 73.0 | 68.0 × 73.0 | 70.0 × 73.0 |
排気量 | 499.5 | 530.2 | 561.9 |
圧縮比 | 10.1 : 1 | 10.9 : 1 | 10.9 : 1 |
最大馬力 | 29.4 kW | 33.8 kW | 35.0 kW |
最大トルク | 45.8 Nm | 53.0 Nm | 55.7 Nm |
エンジンオイル量 | 3.6 l | 3.5 l | 3.5 l |
スパークプラグ | CR7E | CR7E | LMAR7G |
燃料容量 | 14.0 l | 15.0 l | 15.0 l |
全長 | 2235 mm | 2200 mm | 1690 mm |
全幅 | 775 mm | 765 mm | 765 mm |
全高 | 1410 mm | 1420~1555 mm | 1420~1555 mm |
軸距 | 1575 mm | 1575 mm | 1575 mm |
最低地上高 | 130 mm | 125 mm | 125 mm |
装備重量 | 217 kg | 216 kg | 220 kg |
シリンダーブロックの幅は変わっていないので、まさにギリギリまでボアアップしている。
排気量アップの裏には排出ガス制限があるので、一概に性能に繋がる訳ではないが、進化しているのは確かである。個人的には性能を落とさずに排気量ダウンするのも、技術力のアピールとしては悪くはないと思う。市場が嫌うかもしれないけど。