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インドネシアでFree Goが発売

昨日、インドネシアの IMOS で発売が発表された Free Go についてを。予想していなかった突然の発表だったので、調べるのがちょっと大変だったけど。

LTK125 2019 B5D1 [Free Go]
LTK125 B5D1

Free Go はヤマハインドネシアでの位置付け的に SOUL GT と FINO の中間で、MIO M3 などの MIO シリーズと被るところがある。しばらくは併売されると思われるが、時期や売り上げによってはまとめられる可能性が高そうである。


モデル名は LTK125 と最近のインドネシア製スクーターで使われている L で始まるものとなった。モデルコードは B5D が振られて、廉価版が B5D1 に、S version が B5D2 に、S version の ABS 付きが B5D3 となった。いつものように、モデルコード一覧を。

code name year country remarks
B5D1 LTK125 2019 インドネシア Free Go
B5D2 LTK125-I 2019 インドネシア Free Go S
B5D3 LTK125-A 2019 インドネシア Free Go S ABS

未確認だが、廉価版のフレーム型式は SEF54 で、S version が SEF52 になるようである。

いつものヤマハらしく、車名が「FreeGo」「FREEGO」「Free Go」と統一されていない。ここでは日本のヤマハが発表した「Free Go」とした。

Free Go logo

スペックなどは、まとめサイトや転載サイトを見てもらうことにして、パーツレベルで見てみることに。まず、エンジン周りは LNS125 MIO 2PH からの流用なのだけど、かなり手が入れられている。その中で気になることが1つあって、バルブのバネの部品番号が B7E から始まっている。B7E のモデルコードは未だ発売されていないので、これから発売されるモデルなのでしょう。

LTK125 engine

廉価版の B5D1 はキックスターターが装備されており、スマートキーもないためにバッテリーの容量が少ない。各モデルとバッテリーとそれに関係する装備について、表にしてみる。

ペット名  Free Go   Free Go S  Free Go S ABS
モデルコード B5D1 B5D2 B5D3
キックスタータ― あり なし なし
スマートキー なし あり あり
S&Sシステム なし あり あり
ABS なし なし あり
バッテリー YTZ4V YTZ6V YTZ7V

S&Sシステムと書いたのは STOP & START SYSTEM で、この装備がかなりバッテリーの負担となっている。

S version の B5D2 や B5D3 では、スマートキーと共に金属のキーも一応付いてくる。これはどこに使うのか探してみると、リアフェンダーの裏側にカバーがあり、カバーを開けると鍵穴が出てくる。この鍵穴でシート下トランクが開く仕組みになっているため、バッテリーが無くなっても、なんとかメットインを開けられる。

LTK125 trunk

上記に書いた装備を含め、各モデルで違いがあるため、ECU や スピードメーターも各モデルで部品が違っている。上位モデルに合わせて統一する方が効率が良い気がするが、計画販売台数が多いため、コストを取ったことになる。インドネシアだからできるとも言える。

インドネシアで発表されたモデルとしては、全体的に特徴が薄いように感じる。SOUL GT よりもだいぶ高い値段もあって、果たして計画台数売れるのか少し心配である。

YZF-R25/YZF-R3 2019年モデル発表

先週の10月11日に YZF-R25 / YZF-R3 のモデルチェンジが世界同日に発表された。ようやくと言う感じで、今日はその遅れたことを含めて書こうかと。

YZF250 2019 BS71
YZF250 BS71

リリースが発表されたのは、インドネシア、ヨーロッパ、USA 、カナダで、製品の詳細までは発表していないがタイでもニュースリリースに掲載された。


形状比較やスペック比較については、色々なところで既に行われているので省略して。まずは発売となったインドネシア向けモデルコード一覧を。モデルコードは BS7 が振られた。

code name year country remarks
BS71 YZF250 2019 インドネシア
BS72 YZF250 2019 インドネシア Movistar

先日書いたヨーロッパ向けの YZF-R125 と同じように、YZF-R25 のモデル名が YZF250 とこのタイミングで変更になった。YZF-R6 が YZF600 になったところから始まり、YZF-R15, YZF-R125 と続けて、YZF-R25 も変更されたため、YZF-R3 もこのタイミングで YZF320 となりそうである。ペット名は引き続き YZF-R25 が使われている。

モデルコードが BS7 となったが、同じインドネシア製造の YZF-R25 でモデルコード BS8 のモデルが既に発売されている。この BS8 は、2018年モデルの日本とトルコ向けの YZF-R25A で、BS81 が日本向け、BS82 がトルコ向けである。今回発売になった YZF-R25 BS7 のシフトペダルのシャフトに BS8 のパーツが使われていたり、モデルコードが隣り合っていることからもわかるように、BS7 の開発は BS8 の開発と同じぐらいのタイミングで始められていた。

YZF-R25 2018 BS81 (日本)
YZF-R25 BS81 C

しかし、BS7 は BS8 と違い、モデルチェンジということで発売までに時間がかかった。この時間差がマイナーチェンジとモデルチェンジの違いということである。それに加えて、BS7 の発売は今年の7月と決定していたが、3か月遅れて10月の発売となった。この3か月の遅れの理由についてを詳しそうな人に聞いてみたのだけど、「品質の関係」という濁された答えだった。
確かに YZF-R25 / YZF-R3 では2016年、2017年とリコールが出ており、それもギアやタンク裏のブラケット、メインキーなど、改善対処が面倒な不具合。代替部品や作業工賃だけでかなりの経費となっている。

YZF-R25 recall

その過去から、品質管理を強化したと言われれば納得できる。それを踏まえると、今回のモデルチェンジでエンジンやフレームに手を加えられていないこともリコールを嫌って安全策を採ったのではと少し疑ってしまったりもしてしまう。色々な思惑があっての、今回のモデルチェンジだったのでしょう。

せっかくの機会なので、これまで発売された YZF-R25 と YZF-R3 のモデルコード一覧を、と思ったがかなり長くなったので、またの機会にして。2017年2月の YZF-R25 / YZF-R3 のリコールで各国向けの対象が何台だったのか、表にしてみる。

国/地域 モデル 対象台数
日本 YZF-R25 10294台
YZF-R25A 2683台
YZF-R3A 2188台
インドネシア YZF-R25 22243台 (推定)
YZF-R25A 1620台 (推定)
ベトナム YZF-R3 880台
UK YZF-R3A 897台 (含 MT-03)
USA YZF-R3 14320台
カナダ YZF-R3 2760台
オーストラリア YZF-R3A 3480台 (推定)

推定とあるのは、対象の車体番号から割り出した数字。全体を見る限り主戦場はインドネシアということがわかる。ヨーロッパ全体の推定台数は5440台で意外と少なく、逆に売り上げが減っていると言われている日本でも15000台を超えていて世界的に見ると多い。日本人の新しいもの好きも影響しているのだろうけど、少し驚いた。

他国を見ると、YZF-R25 よりも YZF-R3 を販売している国が多く、両方を販売しているのは日本ぐらいである。YZF-R25 / YZF-R3 は東南アジアからヨーロッパまで、世界各国で発売されており、その世界戦略や品質の背景を踏まえて今回のモデルチェンジを考えると、また別なものが見えてくる。