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V100SH CHAMPの年式

昨日、日本のヤマハ発動機の部品情報検索がメンテナンスということでサービスを停止していた。日本の部品情報検索も Adobe Flash を使わないものになると予想していたが、ただのメンテナンスだったようで、仕組みに変更はなかった。
今日はそのことを書く予定だったが、変更がなかったために V100SH CHAMP の年式について。

日本でチャンプと言うと、スクーターの CJ50 / CJ80 / CH50 を思い浮かべる人が多いと思う。

CJ50EE 55T [CHAMP]
CJ50EE 55T

これが北米になると、日本でいうところの BOBBY の輸出版 LB80-3D CHAMP となる。

LB80-3D 1T8 [CHAMP]
LB80-3D 1T8

そしてインドネシアになると、V100SH CHAMP となってくる。

V100SHE 3XH1 [CHAMP]
V100SHE 3XH1

今日はその V100SH CHAMP についてを。
本当はもう少し広げて V100 について書こうと思っていたが、タイでの Y100 との区別が曖昧だったり、マレーシア向けがはっきりしなかったりとするので、V100SH CHAMP だけにした。


V100SH CHAMP は1990年にインドネシアで発売された。

V100SHE 1991 3XH2 [CHAMP]
V100SHE 3XH2

インドネシアではその前に V100 として 3AY / 3FS が発売されており、ペットネームは ALFA / ALFA2(α2) だった。その V100 をベースに、より若者向けにターゲットを広げたモデルとして V100SH CHAMP の発売となった。

V100 1988 3AY [ALFA]
V100 3AY

CHAMP のスタイルはタイで発売されていた V100(Y100S) BELLE (1ME) からの流用で、タイの BELLE はその後 Y100R BELLE-R と進化していった。

V100S 1988 2XF [BELLE]
V100S 2XF

インドネシアの V100SH CHAMP はタイでの人気ほどなかったようで、年式としては1990年と1991年の2年という短いモデル。その V100 CHAMP の年式一覧を。

code name year country remarks
3WE1 V100SH 1990 インドネシア
3XH1 V100SHE 1990 インドネシア スターターモーター付き
3WE2 V100SH 1991 インドネシア
3XH2 V100SHE 1991 インドネシア スターターモーター付き

どのモデルも YAMAHA BLACK のみの1色で、年式と合わせて4バリエーション、見た目だけでは2バリエーションしかない。カラー一覧も書きたいところだけど、同じ角度からの写真が揃ってなく、比較とならないため省略することに。

2年と短いモデルであったが、発売当時は今よりもかなり高級品だったため、大切に乗られ続けている車体が多いようである。そのためか、インドネシアでは現在でもそこそこ残っているようで、私もジャワで見かけたことがあるぐらい。

インドネシアの V100 はその後、SIGMA となり20世紀には発売終了してしまう。1992年から併売されていた V110 も2005年生産終了となる。

BA50 GEARの比較

GEAR シリーズはあまりカラーバリエーションがないので、BA50 GEAR の各モデルの比較をしようかと。

BA50 2004 4KNH [GEAR C]
BA50 4KNH

BA50 GEAR のモデルとしては、BA50, BA50S, BA50ST, BA50N, BA50NH, BA50C の6種類ある。このうちトランク付きの BA50ST は初年度の1994年モデルのみである。BA50ST は BA50S に後付けすれば成立するモデルなので、言い方を変えると提案したモデルとも言える。


BA50 GEAR は1994年の発売当初から新聞配達にも使われる想定であった。さらに、実際に配達している人の声を反映してフットブレーキやパーキングロックを装備し、オプション扱いであった大型キャリアとフロントバスケットを追加して、1996年に新聞配達用の BA50N の発売に至る。それにより、さらに新聞配達として採用されることとなる。
また、カスタムベースとして使われることをフィードバックして、パーソナルユース用の BA50C の発売となり、広がりを見せていく。
そんな BA50 GEAR の BA50, BA50S, BA50ST, BA50N, BA50NH, BA50C 各モデルを写真で比較してみる。

BA50
BA50 4KN1
BA50ST
BA50 4KN2
BA50S
BA50 4KN3
BA50N
BA50 4KN6
BA50NH
BA50 4KN8
BA50C
BA50 4KNN

BA50NH は BA50N にグリップヒーターを付けただけのモデルなので、外観での区別は難しい。そんなこともあるので、装備の違いについて比較をしてみる。

モデル名 BA50 BA50ST BA50S BA50N BA50NH BA50C
リアボックス なし あり なし なし なし なし
パーキングスタンド なし あり あり なし なし なし
フットブレーキ なし なし なし あり あり なし
パーキングロック なし なし なし あり あり なし
サイドスタンド あり*1 なし なし あり あり あり
大型リアキャリア なし なし なし あり あり なし
フロントバスケット なし なし なし あり あり なし
グリップヒーター なし なし なし なし あり なし
バーハンドル なし なし なし なし なし あり
別体メーター なし なし なし なし なし あり

*1 4KN1 には装着されていない

燃料容量と積載スペースから「旅向き」ともいえるが、バリエーションの中では新聞配達向けの BA50NH が最も旅向きとなる。2サイクルエンジンなので、ロングツーリングでもオイル交換の必要がなく、50cc では 1, 2 を争うぐらいの位置かもしれない。

BA50 GEAR は2007年に4サイクルエンジンの BX50 GEAR になり、デザインがビジネス一辺倒のようになってしまった。さらに 50cc クラスは JOG / Vino のようにホンダ製になっていく中、今後 GEAR はどうなるのか気になるところである。