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タイでMT-15発売

今日は別なモデルのことを書く予定だったのだけど、昨日タイで MT-15 が発売されたため、今日は MTN155 [MT-15] についてを。

MTN155 2019 B7D1 [MT-15]
MTN155 B7D1

もう既に書いてしまったが、MT-15 はモデル名 MTN155 となり、タイ向けでのモデルコードは B7D が割り振られた。インドネシアではまだ発売されていないが、インドネシア向けは B8D が割り振られている。


タイ向けはタイ製造となり、インドネシア向けはインドネシア製造となる。まずは、いつものようにモデルコード一覧を。ヤマハタイの web ページには MT-15[2018] とあるが、モデル的には2019年モデルとなっている。

code name year country remarks
B7D1 MTN155 2019 タイ
B8D1 MTN155 2019 インドネシア

インドネシアでは10月発売の予定であったが、YZF-R25 / YZF-R3 のリコールなどもあって延期となっている。もうしばらくしたら発売されるとの情報もあるが、リコールの状況次第のようである。

実はタイで MT-15 が発表されたとき TFX150 M-SLAZ のモデルチェンジぐらいに考えていて、ここには書かなかった。結局、ペットネームも MT-15 で販売となった。TFX150 の M-SLAZ や XABRE や TFX 、VXN155 の VIXION 、FZ150 の BYSON や FZ150i のリプレイスとなっていくようだけど、しばらくは併売されそうである。まずは、タイでの M-SLAZ と比較をしてみる。

MTN155 2019 B7D1 [MT-15]
MTN155 B7D1
TFX150 2018 B485 [M-SLAZ]
TFX150 B485

かなり似た外観となっている。
インドネシアでは XABRE と VIXION に加えて、空冷の BYSON や、250cc クラスの MT-25 も発売されているので競合しそうである。インドネシアでは MT-15 の発売がまだなので、タイ向け MT-15 の写真と、XABRE, VIXION, BYSON, MT-25 と比較してみる。

MTN155 2019 B7D1 [MT-15] (タイ)
MTN155 B7D1
TFX150 2017 BG72 [XABRE]
TFX150 BG72
VXN155 2019 BT32 [VIXION R]
VXN155 BT32
FZN150 2017 2UP3 [BYSON FI]
FZN150 2UP3
MTN250 2018 B047 [MT-25]
MTN250 B047

これだけ発売するとなると、かなり分散がおきてしまう。2018年モデルが出ていない XABRE と BYSON はそのまま発売終了でしょう。
この MTN155 MT-15 エンジンはインドネシアでは既に VIXION R に搭載されており、155cc 版の YZF-R15 とも共通のエンジンである。さらには、TRICITY 155 や NMAX 155 などのスクーターモデルともシリンダーを共通化しており、うまく流用している。そのため、改造パーツの流用ができたりするので、チューニングする人にとってもありがたいことになっている。

タイではパーツカタログが公開されているので、ざっと眺めてみると、YZF-R15 や M-SLAZ などから流用している部品が多く、うまくまとめた感じである。パーツカタログで見慣れないモデルコードが1つあって、イグニッションコイルが B0A から始まる部品番号となっている。手元の資料を見てみたが B0A から始まるモデルコードは確認できなかったので、これが他の国向けの MT-15 となるのか気になるところ。

155cc 版の YZF-R15 はインドでも製造されており、この流れでいくとインドでも MT-15 が発売されそうである。ヨーロッパや日本で正式発売は厳しいかもしれないが、南米などを含めた新たなるグローバルモデルとして広がりそうである。

V125 Y125Zなどの年式

今日は V125 の年式についてを。V125 は主にマレーシアで発売されていたモデルで、ヤマハマレーシアでの最後の公道2サイクルモデルとなった。先月ぐらいまでは web ページのラインナップにあがっていたが、とうとうカタログ落ちしたので、書くことに。

V125ZR 2017 5XKB [125ZR]
V125ZR 5XKB

V125 は1998年に発売されたモデル。販売名を含めたペットネームがバラバラで、モデル名もあってかなりややこしくなっている。ワイヤースポークホイール版は Z で、キャストホイール版は ZR が付くのは共通だが、例えば Z が付くモデルでも 125Z / Y125Z / Z / Z125 と表記があり、ヤマハ公式の web ページでも統一が取れていない。なので、ここではペットネームで呼ぶことはあきらめて、モデル名の V125 とする。後述するが、それでも一部違っていたりするのだけど。


いつものように、モデルコード一覧を。5BU1 が1998年と2000年にあったり、装備が違ってもモデルコードが同じなのはミスではなく、簡単に言うと東南アジアだからという理由。

code name year country remarks
5BU1 V125 1998 マレーシア Z
Y125 ギリシャ Z
5BU1 V125 2000 マレーシア Z
5BU2 V125 2002 マレーシア Z / ZR
5XK1 V125 2003 マレーシア Z / ZR
5XK2 V125 2005 マレーシア ZR
5XK5 V125Z 2007 マレーシア Z
5XK6 V125ZR 2007 マレーシア ZR
5XK7 V125ZR 2009 マレーシア ZR
5XK8 V125ZR 2012 マレーシア ZR
5XK9 V125ZR 2014 マレーシア ZR
5XKA V125ZR 2014 マレーシア ZR
5XKB V125ZR 2017 マレーシア ZR

1998年にマレーシアと同じモデルコード 5BU1 で、ギリシャで発売されていた。モデル名を確認すると Y125 となっており、ペットネームは Z もしくは Z125 であった。Z だけだと混乱するため、”YAMAHA Z” などと呼ばれることが多いようである。ギリシャ向けでのパーツの変更点はあるのか確認してみたが、ホーン(クラクション)以外はマレーシア向けの 5BU1 と全く同じ。ギリシャ向けの CDI は末尾 01 の改良版が装着されているので、マレーシア向けの発売が先ということになる。

この V125 は何故かベトナムでも多く走っているようなのだけど、正式発売されていたという資料は見つからなかった。輸出されたものだと考えられるが、数が多いので実際のところは不明である。ベトナム語が読めたら更なる情報が得られるはずだが、そのために勉強するのも効率が悪い。それに「何のためにベトナム語を習ったの?」「V125 がベトナムで正規販売されていたか輸入扱いだったか調べるため」「…」となる筈であるし。

V125ZR 2014 5XK9 [125ZR]
V125ZR 5XK9

5BU から 5XK へはエンジン性能などの変更はなく、ミニウィンドシールドを含めたメーター周りの変更や、ストップランプ付きリアスポイラーの追加、シーソーペダルの廃止、フロントディスクブレーキの大径化などが行われた。さらに ZR ではキャストホイールの形状変更もあったが、パーツカタログを見ると、2002年の 5BU2 のホイールにはなぜか 5XK から始まる部品番号が使われており、2003年の 5XK1 のホイールは 5NM(JZ120F[SPEED]) から始まる部品番号となっている。その後、5XK から始まるホイールの部品番号は 5XK2 以降で使われているのと形状を見る限り、5BU2 のパーツカタログのミスのように思える。

つい先日までラインナップに上がっていた貴重な2サイクルモデルであったが、とうとう発売終了となってしまって寂しい限りである。この後、V125 のポジションは T150[Y15ZR] に譲る形となる。