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XV125とホイール

XV250 Virago 250 について調べたことがあって、そのついでに調べた XV125 Virago 125 についてを。

XV125

ビラーゴ XV125 は日本製で、中国やヨーロッパに輸出されていた。日本でも業者が逆輸入して販売していたようで、見かけることはあった。日本には、中国向けとヨーロッパ向け両方入ってきていたようである。


モデルコードは、中国向けが 4RF で、ヨーロッパ向けが 5AJ 、5年ほどしか発売されなかった息の短い機種だった。

code name year country remarks
4RF1 XV125S 1995 中国
4RF2 XV125 1995 中国
4RF3 XV125S 1995 中国
4RF4 XV125 1995 中国
4RF5 XV125S 1997 中国
5AJ1 XV125 1997 フランス
5AJ2 XV125 1997 欧州
5AJ3 XV125 1997 スイス
5AJ4 XV125 1997 ドイツ
5AJ5 XV125 1998 欧州
5AJ6 XV125 1998 ドイツ
5AJ7 XV125 1998 スイス
4RF6 XV125S 1999 中国
5AJ8 XV125 1999 欧州
5AJ9 XV125 1999 ドイツ
5AJA XV125 1999 スイス
5AJB XV125S 1999 欧州
5AJC XV125S 1999 ドイツ
5AJD XV125S 1999 スイス
5AJF XV125S 2000 欧州
5AJG XV125S 2000 ドイツ
5AJH XV125S 2000 スイス

中国向け 4RF の XV125S のモデルはキャストホイールを装着していて、XV250 にも流用できるために中古で人気があるようである。このキャストホイールの部品番号は。

前ホイール 金色 4RF-25168-00-8L 4RF1, 4RF3
銀色 4RF-25168-00-P0 4RF5, 4RF6
後ホイール 金色 4RF-25338-00-8L 4RF1, 4RF3
銀色 4RF-25338-00-P0 4RF5, 4RF6

4RF5, 4RF6 の方は銀色と書いたが、英語だと light yellow silver な感じで、少し黄みが入っている。残念ながら、どれも日本のヤマハでは販売終了の扱い。どうしても欲しければ、気長に中古が出るのを待つか、中国から輸入するしかない。

2016年6月5日追記
ホイールの入手について別でも書いたのでそちらも参考に。

南アフリカ仕様って

逆輸入車では、良く北米仕様とか南アフリカ仕様、オーストラリア仕様などを見かけたりする。以前の北米仕様は、ほとんどがカナダ仕様のことなんだけど、それにしても南アフリカ?と思ってしまう。


今日はそんな南アフリカ仕様がなぜ輸入されるのか、という話を。今回は逆輸入されていないけど、ヨーロッパ・南アフリカ向けの SR400 である 2RD1 を例にとってみる。

SR400_2RD1_A_00

この 2RD1 のプロダクションコードを見てみると、ヨーロッパ各国と南アフリカの国が描かれている。

SR400_2RD1_pcode_table

それとスロベニアが入っているが珍しいが、こんな感じで、ヨーロッパ向けと南アフリカ向けは一緒になっていることがほとんど。理由の1つがそこにある。

さらに、この中で左側通行の国は、英国、アイルランド、キプロス、南アフリカの4か国。機種によって、ヘッドライトのレンズカットが左右の通行国で異なっており、この SR400 も右側通行と左側通行の国によってレンズが異なっている。

SR400_2RD1_lens_assy

じゃ、英国仕様にすれば良いでは?となるのだが、そうならない理由が2つある。1つは、上記の国の中で唯一、制限速度がマイル表記の国だからである。スピードメータの部品を見てみる。

SR400_2RD1_speed_metre

このマイル表示は USA でも使われているので、北米仕様として日本に入ってきているのはカナダ仕様が多い理由にもなる。と言っても、最近はデジタルメータを採用することが多く、ボタンで km/h と m/h を切り替えできるようになってきている。

今回の場合だと、アイルランド向け、キプロス向け、南アフリカ向けが左側通行用のヘッドライトで、メータが km/h 表示になる。じゃ、アイルランド向けが輸入されても良いのじゃない?と思うのだけど、もう1つの理由があって、あまり現実的ではない。ヨーロッパから日本まで輸送するには、スエズ運河を通るか南アフリカのアガラス岬を経由することになる。

sea_route_from_eu

スエズ運河を通るには船のサイズが限られ、さらに通行料が必要。ソマリア沖やマラッカ海峡を通ることで保険料も高くなる。わざわざ輸送料が高いヨーロッパからではなく、南アフリカから輸入した方が有利となる。

そんな理由から、ヨーロッパ向けとほとんど同じ「南アフリカ仕様」が日本に入ってくる状況である。北極海航路の様子によっては、これが変わってくるかもしれない。