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R1のタイヤ左右

先日、古い YZF-R1 のパーツカタログがあったので、眺めていた。

YZF-R1_5VYE_A_00

YZF-R1 のタイヤは年式によって DUNLOP, MICHELIN, BRIDGESTONE, PIRELLI があるのだけど、5VYE/5VYF/5VYR/5VYS のパーツカタログのイラストには、こんなことが描いてあった。

1E5VY300E1_fig32_00

英国とアイルランドと南アフリカは DUNLOP で、それ以外は MICHELIN とある。つまり、左側走行の国は DUNLOP を採用し、右側走行の国は MICHELIN を採用していることになる。前年のパーツカタログでは、英国、イタリア、アイルランド、南アフリカが DUNLOP なので、走行車線によってタイヤが異なるというのは無い気もするが。


やっぱり気になったので MICHELIN と DUNLOP と BRIDGESTONE に訊いてみることにした。PIRELLI に聞かなかったのは、今後 PIRELLI のタイヤを買わない気がしたので。

MICHELIN への質問

YZF-R1 欧州向け(5VYE)のパーツカタログを眺めると、純正タイヤでは、
英国、アイルランド、南アフリカ – DUNLOP
それ以外の国 – MICHELIN
とあります。

YZF-R1 のタイヤ限定ではなく、一般的な自動二輪車用タイヤについてで質問なのですが、右車線走行国向けと左車線走行国向けでは、タイヤパターンなど何かしら異なることがあるのでしょうか。
・全てのタイヤで異なっている
・タイヤによって異なることがある
・全てのタイヤで走行車線での区別はない
どれになるのか、教えてください。もし区別があるのでしたら、タイヤを見て判断する方法を教えてください。

続けて、DUNLOP への質問はこうなった。

DUNLOP への質問

YZF-R1 のタイヤ限定ではなく、一般的な自動二輪車用タイヤについてで質問なのですが、右車線走行国向けと左車線走行国向けでは、タイヤパターンなど何かしら異なることがあるのでしょうか。
・全てのタイヤで異なっている
・タイヤによって異なることがある
・全てのタイヤで走行車線での区別はない
どれになるのか、教えてください。
もし区別があるのでしたら、タイヤを見て判断する方法を教えてください。

なぜ前半部分を省いたかと言うと、200文字の制限があるとか文句を言われたので。

dunlop_form

多分、彼らは自分達でこのシステムを使ったことがないか、ユーザからの質問を軽視しているのでしょう。おかげで少し変な文になった。
最後に、BRIDGESTONE への質問。

BRIDGESTONE への質問

YZF-R1 欧州向けのパーツカタログを眺めると、純正タイヤでは右車線走行国と左車線走行国で採用しているタイヤメーカが異なっていることがあります。

YZF-R1 のタイヤ限定ではなく、一般的な自動二輪車用タイヤについてで質問なのですが、右車線走行国向けと左車線走行国向けでは、タイヤパターンなど何かしら異なることがあるのでしょうか。
・全てのタイヤで異なっている
・タイヤによって異なることがある
・全てのタイヤで走行車線での区別はない
どれになるのか、教えてください。
もし区別があるのでしたら、タイヤを見て判断する方法を教えてください。

ちょっと気を使って、他社の名前はあげないでおいた。

上記の質問を2016年6月9日の9:10から9:12にかけて3社に送信した。それぞれの会社の回答日時は、以下のようになった。

MICHELIN 2016年6月9日 13:31
DUNLOP 未だ回答なし
BRIDGESTONE 2016年6月9日 11:53

MICHELIN と BRIDGESTONE からの回答内容を見てみる。回答からの抜粋。

MICHELIN からの回答(抜粋)
早速にお問い合わせの件でございますが、弊社モーターサイクル用タイヤに右車線走行国向け、左車線走行国向けと云った区別はございません。
同一銘柄、同一タイヤ規格(ラジアル/バイアス・サイズ・ロードインデックス・速度記号など・・・)であれば全て同じ仕様の製品でございます。
BRIDGESTONE からの回答(抜粋)
弊社の、モーターサイクル用タイヤは、出荷国の右側通行、左側通行により、
タイヤパターン、構造などが異なる事はございません。

と言うことで、違いがないそうである。

今回の件で、質問フォームの文字数制限や、返信が無いことで DUNLOP の株がだいぶ下がった。今後 BRIDGESTONE と DUNLOP のタイヤで迷ったら、間違いなく BRIDGESTONE のタイヤを買うでしょう。

日本ミシュランタイヤ株式会社のお客様相談室の方、株式会社ブリヂストンのお客様相談室の方、ありがとうございました。

フランスの馬力規制について

YZF-R1 のモデルを何気なく眺めていた。

YZF-R1_2CRC_A_00

これまではフランス・ベルギーだけモデルコードが分かれていたのに、2016年モデルだとヨーロッパのモデル(2CRC)の中にフランスが含まれている。

YZF-R1_2CRC_pcode


そう言えば、数年前にフランスの馬力規制が無くなると聞いたことがあった。それが今年から実現したようである。フランスヤマハの web ページにある YZF-R1 の諸元を確認してみた。

YZF-R1_fr_spec_2016

200馬力あるのが確認できる。去年は 106.2 馬力になっていた。

YZF-R1_fr_spec_2015

ちょっと気になることがあって、何で 106.2PS なんだろうかと。

色々調べてわかったことが、フランスの自動二輪車に対する馬力規制は 100HP (英馬力)だっということ。英馬力というとで、仏馬力 (PS) とは微妙に違う。計算してみる。

1 PS(仏馬力) ≒ 0.98632 HP(英馬力)
100 HP ≒ 101.387 PS

となる。あれ? 106.2 なんて数字が出てこない。不思議に思ってもう少し調べると、その馬力規制は誤差 5% のマージンが認められるとのこと。

101.387 PS × 1.05 = 106.45635 PS

近い数字になった。101.387 を小数点第二位で切り捨てした 101.3 に 5% を増した値 106.365 をさらに小数点第二位で切り捨てすると 106.3 になる。106.3 馬力の範囲内に収める、という意味で 106.2PS なった、もしくは 100HP を kW 換算した 74.570kW を同様に計算して出た値の 78.2kW に収めるということで、78.1 kW になったのではないかと。

ヨーロッパ向け YZF-R1 で、規制が残るのはベルギーのみ。ベルギーは今後、どうするのだろうか。