TK115(LEXAM)の年式

今日はベトナムとインドネシアで発売されていた TK115 LEXAM の年式についてを。

Lexam Logo

2010年にベトナムで発売され、翌年にはインドネシアでも発売された。しかし、その2011年が最後のモデルとなってしまう。


ヤマハが小型CVT機構「Y.C.A.T.」を開発し満を持して発売したものの、予想を下回る販売数となったようである。

Y.C.A.T.
YAMAHA YCAT

機構のフィーリングに問題があったのか、市場の要求を読み間違えたのか。個人的には足の置き場所が不自然のように見えるというか、幅がありすぎるというか。

TK115 フットレスト
TK115 15C1 footrest

前置きが長くなったが、TK115 の年式を。TK115C は TK115 のキャストホイール版となる。

code name year country remarks
15C1 TK115 2010 ベトナム
15C2 TK115C 2010 ベトナム
15C3 TK115 2011 ベトナム
15C4 TK115C 2011 ベトナム
40D1 TK115C 2011 インドネシア

この後、Y.C.A.T. の名前を聞くことが無くなってしまう。悪くはない仕組みだと思うのだけど、CVT だったらわざわざアンダーボーンでなくスクーターに乗る、という人が多かったのかもしれない。

TK115 2010 15C2 [LEXAM]
TK115 15C2

対するホンダの REVO AT は売れたのだろうか。情報がないのでわからないが、売れなかった気がする。

2PPは何なのか

いきなり 2PP と書かれてもわからないと思うが、モデルコードが 2PP の機種のことである。

MTM850 2016 B901 [XSR900]
MTM850 B901

2PP のモデルコードは何なのかを少し考えたいと思う。


MT-09 Tracer や XSR900 のパーツカタログには、2PP で始まるパーツが出てくる。
しかし、モデルコードが 2PP のモデルは存在しない。じゃ、このモデルは何なのか。多分だけど発売が計画されていたが何らかの理由で中止になったモデルじゃないかと。その 2PP はどんなモデルだったのか予想してみたい。

まず、MT-09 Tracer のパーツカタログで確認をすると、大きな部品で 2PP が付くのは。
・ラジエター
・マフラー
・リアフレーム
・サイドカバー
・リアショック
・フロントフォーク
・ガソリンタンク
・シート
・ハンドル
・ウィンドシールド
・ヘッドライト
かなりのものである。MT-09 Tracer に似ていて、発売されそうなモデルがモーターショーか何かで発表されたか考えた瞬間、MWT-9 が浮かんだ。

MWT-9
MWT-9

エンジンが同じなのでマフラーも同じものが使えるなどと思ったが、フロントフォークは全く違うし、ヘッドライトやウィンドシールドも似つかないもの。可能性的には低いかもしれない。

じゃ、パーツカタログの部品番号を全て抜き出して、そこから考えてみることにする。パーツカタログから部品番号を拾い、複数使われている部品も1つとして数え、色違い、サイズ違いのものも1つにする。2PP の部品の割合を出してみた。

モデル コード 年式 2PP 部品数 割合
MT-09 1RC1 2014 0 0 %
MT-09 Tracer 2SC1 2015 132 11.1 %
XSR900 B901 2016 9 0.8 %

わかることは、2014年の MT-09 には 2PP の部品が出てこない。調べると、2015年の MT-09 には出てくるので、2PP のモデルは2015年以降のモデルだったことがわかる。さらに部品割合から XSR900 よりも MT-09 Tracer に近いものとなる。

MT-09 Tracer の部品構成を表にしてみる。

2SC1 parts percentage

2SC1 のモデルコードなのに、2SC が付く部品は20しかなく、2PP は132もあることがわかった。

ここでようやく閃いた。2SC1 の部品で 2SC が付くものをチェックし、気になるところを確認して 2PP が何かわかった。

モデルコード 2PP は MT-09 Tracer の ABS 無しモデル

2SC1 での ABS 周りの部品では 2PP が使われていないため、MT-09 Tracer の ABS 無しモデルということでほぼ確定でしょう。そのモデルが、部品番号が付けられるほど発売が進められたけれど、規制や管理コストの関係で中止となったのでしょう。

MT09TRA 2015 2SC1 [MT-09 Tracer]
MT09TRA 2SC1

実はこの記事を書き始めたときは「わからなかった」と締め括るつもりだったが、書いたりまとめたりしていて判明した。そんなこともたまにはあるのだな。