知り合いが MTM155 [XSR155] を買ったとかで、困っていることがあるか尋ねたら、後付けパーツの入手のし辛さと、整備するための情報がない、という返事だった。後付けパーツについてはどうにもできないけど、整備情報ならということで、今日は半分私信になるけど XSR155 の整備情報を。
MTM155 2020 B1V1 [XSR155] |
MTM155 [XSR155] は2019年にタイで発売されたモデルで、モデル年としては2020年モデル。その後インドネシアでも発売されている。輸入している業者があるため、日本でも入手が容易で、ここのところの 150cc 前後の排気量の静かなブームもあって、そこそこ売れているようである。
日本に入ってきているのはタイ向けの B1V のようであるけど、比較の意味も含めてインドネシア向け BBS を入れた整備情報の表を。
code | B1V1 | BBS1 |
---|---|---|
model | MTM155 | MTM155 |
country | タイ | インドネシア |
year | 2020 | 2020 |
エンジンオイル | ||
推奨オイル | ヤマルーブ | ヤマルーブ |
SAE 粘度 | 10W-40 | 10W-40 |
グレード | SG以上、MA | SG以上、MA |
エンジンオイル量 | ||
フィルタ無交換時 | 0.85 L | 0.85 L |
フィルタ交換時 | 0.95 L | 0.95 L |
分解時 | 1.05 L | 1.05 L |
冷間時バルブクリアランス | ||
IN | 0.10~0.14 mm | 0.10~0.14 mm |
OUT | 0.21~0.25 mm | 0.21~0.25 mm |
点火栓 | ||
種類 | NGK MR8E9 | NGK MR8E9 |
冷却水量 | ||
ラジエターと総経路 | 0.49 L | 0.49 L |
リザーブタンク | 0.15 L | 0.15 L |
バッテリー | ||
種類 | YTZ4V | YTZ4V |
ウィンカー | ||
バルブ種類 F | BAU15S 12V 10W | T13 12V 10W |
バルブ種類 R | BAU15S 12V 10W | T13 12V 10W |
冷間時タイヤ空気圧 | ||
1名時 フロント | 225 kPa | 225 kPa |
1名時 リア | 250 kPa | 250 kPa |
2名時 フロント | 225 kPa | 225 kPa |
2名時 リア | 250 kPa | 250 kPa |
ブレーキディスク | ||
使用限度厚 F | 3.5 mm | 3.5 mm |
使用限度厚 R | 4.0 mm | 4.0 mm |
フロントフォーク | ||
オイル | ヤマルーブ サスペンションオイル 01 |
ヤマルーブ サスペンションオイル 01 |
左側量 | 314.0 cc | 314.0 cc |
右側量 | 356.0 cc | 356.0 cc |
チェーンたわみ量 | ||
乗車時 | 30.0~40.0 mm | 30.0~40.0 mm |
リアショック伸び時 | 25.0~30.0 mm | 25.0~30.0 mm |
インドネシア向け BBS1 のウィンカーバルブは、パーツカタログの番号では T13 なのだけど、パーツカタログのイラストでは BA15S のように描かれている。MTN155 [MT-15] では T13 なので、それを流用してしまった誤記の可能性が高いが、実際はどちらなのか不明なためにパーツ番号の方を記している。
表を見て、えっと思ったことがある。左右のフロントフォークのオイル量が違うことである。いやいや、と思って確認したけど間違っておらず、まさかと思ってパーツカタログで確認すると、フロントフォークのバネが入っているのは左側だけで、右側はバネ無しだった。その昔、GT50 (ミニトレ)などでは片方だったけど、今の時代、それも倒立フォークでそんなコストダウンするのかと驚いた。パーツカタログを眺めて、タイ向けの MTM155 [XSR155] フロントフォークのパーツ番号は MT-15 と同じであったので、ひょっとしてと思って確認すると、MTN155 [MT-15] も同じでようにバネは片方だけだった。ただし、MTN155 [MT-15] でもインド製の MTN155 [MT-15] は正立フォークで、バネが両方に入っている。この片側のみバネの倒立フロントフォーク、一体どんな挙動をするのだろうか。
ということで、今日は半分私信となってしまったけど、他に困っている人もいるかもしれないということで。