今日はヨーロッパで発売された MWD300 [Tricity 300] のことを。
MWD300 [Tricity 300] は、昨年11月に EICMA で発表され、ヨーロッパでは2月に発売された。この COVID-19 の騒ぎを考えると、かなりタイミングの悪い発売時期となる。
MWD300 2020 BX91 [Tricity 300] |
MWD300 には XMAX 300 のパワートレインを流用して 292cc のエンジンを搭載しており、ヨーロッパでは B ライセンス(普通自動車の免許)で乗れるように作られている。まだオーストラリアなどのヤマハの web ページには掲載されていないものの、オセアニア向けも発売予定となっている。
MWD300 [Tricity 300] にはモデルコードは BX9 が割り当てられ、確認できているのは、ヨーロッパ・南アフリカ向け、UK 向け、オーストラリア・ニュージーランド向けの3つ。そのモデルコード一覧を。
code | name | year | country | remarks |
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BX91 | MWD300 | 2020 | 欧州、南アフリカ | |
BX94 | MWD300 | 2020 | UK | |
BX95 | MWD300L | 2020 | 豪州、ニュージーランド |
BX92 と BX93 が空いているのが気になるところで、XMAX 300 がカリフォルニア州向けとそれ以外の州向けで別れていないため、北米向けが入ってくる可能性もある。UK 向けについては、何故かパーツカタログの準備が遅れているようで、UK ヤマハからの web 版のパーツカタログでもまだ確認ができない。
ヨーロッパ・南アフリカ向けと、オーストラリア・ニュージーランド向けの大きな違いがフットブレーキが付いているかどうかである。どちらもパーキングブレーキは別途装備しているが、オーストラリア・ニュージーランド向けではフットブレーキが省略されている。このフットブレーキは、ヨーロッパの B ライセンス(普通自動車の免許)で乗れるように付けられた装備のため、オーストラリアなどでは不要であり外された。これにより多少の軽量化にもなっている。
ヨーロッパではオプションパッケージとして、SPORT PACK, URBAN PACK, WINTER PACK の3つを発売している。季節や行き先に合わせて変えるのも面白そうである。
MWD300 [Tricity 300] SPORT PACK |
MWD300 [Tricity 300] URBAN PACK |
MWD300 [Tricity 300] WINTER PACK |
先に書いたように、エンジンなどは XMAX 300 からの流用である。車体周りと、エンジン・駆動系周りを中心に比較してみる。
code | BX41 | BY37 |
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model | MWD300 | CZD300-A |
pet name | Tricity 300 | XMAX 300 |
国 | 欧州 | 欧州 |
年式 | 2020 | 2020 |
全長 | 2250 mm | 2185 mm |
全幅 | 815 mm | 775 mm |
全高 | 1470 mm | 1415 mm |
軸距 | 1595 mm | 1540 mm |
最低地上高 | 130 mm | 135 mm |
最小回転半径 | 3.2 m | 2.6 m |
装備重量 | 239 kg | 179 kg |
排気量 | 292 cc | 292 cc |
内径×行程 | 70.0×75.9 mm | 70.0×75.9 mm |
馬力 | 20.6 kW | 20.6 kW |
トルク | 29.0 Nm | 29.0 Nm |
1次減速比量 | 1.000 | 1.000 |
変速比 | 2.386-0.746 :1 | 2.386-0.746 :1 |
2次減速比 | 7.590 | 7.590 |
車体が 60kg 重くなったことはかなり大きいものの、エンジンや減速比は XMAX 300 と全く同じとなっている。この重量と前輪タイヤがどのぐらい燃費に影響があるのか興味深いところである。
この MWD300 [Tricity 300] が日本で発売されるのか、それとも MWD250 となるのか、しばらく注視していきたいと思う。