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YD125の年式

YD250 ついでに、今日は YD125 についてを。

YD125T 2011 34C3 [STX125]
YD125T 34C3

と言っても、YD125 は大きく分けて4種類あり、そのうち1つは現役のモデルである。なので、書こうかどうか少し悩んだが折角の機会なので。


大きく分けて4種類とは、
・1989年に発売された日本の YD125(3NS1, 3NS2)
・2000年に発売されたインドの YD125(5DG1)
・フィリピンの STX125(5RE, 34C)
・フィリピンの YTX125(BR2)
である。このうち YTX125 は現役のモデル。それぞれのモデルはほとんど別物で、エンジン周りについては YD125(5DG1) と STX125 は同系エンジンを登載している。
その YD125 の年式の一覧を。

code name year country remarks
3NS1 YD125 1989 日本
3NS2 YD125S 1989 日本
5DG1 YD125 2000 インド
5RE1 YD125T 2002 フィリピン STX125
5RE2 YD125T 2006 フィリピン STX125
34C1 YD125T 2008 フィリピン STX125
34C2 YD125T 2009 フィリピン STX125
34C3 YD125T 2011 フィリピン STX125
34C4 YD125T 2012 フィリピン STX125
34C5 YD125T 2013 フィリピン STX125
34C6 YD125T 2014 フィリピン STX125
BR21 YD125U 2017 フィリピン YTX125

フィリピンの YD125T は21世紀のモデルなのでまだ情報があるのだけど、インドの YD125 はほとんど情報がないし写真もない。さらに当時はヤマハが経営を握っていたのではなく、Escorts との共同出資だった影響もあり、パーツカタログの管理などがされていない感じで。

色数が少ないので、1989年に発売された日本向けの YD125 / YD125S のカラー一覧もついでに。

code year photo
3NS1 1989 YAMAHA BLACK
YD125 3NS1
3NS2 1989 SALT LAKE SILVER
YD125 3NS1

YD250 と違い、丸目のライトを装備している。丸目の方がやっぱり似合うと個人的には思う。

パキスタンの DYL という会社も YD125 を出している。このモデルはヤマハと全く関係ないのだけれど、DYL は Dawood YAMAHA Limited の略でヤマハも2008年までは出資しており、その影響もあり、既に手を引いた後に出たモデルなのだが YAMAHA YD125 と書かれている web ページもあったりする。DYL は1976年に、と書いて行きたいが話が違ってくるのでそれはまた別の機会に。

フィリピンでYTX125発売

今日、ヤマハ発動機で発表された CRUX Rev を書きたかったところだけど、その前にフィリピンヤマハで YTX125 が発売になったのでその話を。

YTX125
YTX125

今日、フィリピンヤマハのページに YTX125 が掲載された。まだフィリピンヤマハのページに STX125 があるが、YTX125 は実質的に STX125 の後継となるようである。


STX125 もそうなのだけど、YTX125 はフィリピンでよく見かける Tricycle 用に発売されるモデルで、Tricycle はタイなどでの tuktuk のように、タクシーの用途で使われる。実際には右側に船を付け、さらに屋根なども装着される。

BAJAJ CT100 Tricycle
CT100 Tricycle

YTX125 のページでもその Tricycle でのイメージ写真があり、屋根などが付けられている。

YTX125 Tricycle
YTX125 Tricycle

運転者の後側にも人を乗せるため、後サスペンションが2本付けられ、さらにパッセンジャー用の足置きが付けられている。

YTX125 サスペンション
YTX125 サスペンション

エンジン前のフレームには、船を接続する用の穴まで開いている。

YTX125 フレーム
YTX125 フレーム

モデル名は YTX125 になるようだけど、モデルコードは今のところ不明。
エンジンは STX125 で使われている YBR125 系エンジンではなく、インドの SALUTO と同じものを使っている。SALUTO の燃費を考えるとこのエンジンの採用は納得がいくが、YBR125 系エンジンが無くなって行くことには寂しさを感じる。

Saluto YC125 2015 2LP1
Saluto YC125 2015 2LP1

これまでフィリピンのモデルのいくつかはインド製造のノックダウン生産のようだったので、この YTX125 もノックダウン生産じゃないかと思われる。インドの SALUTO とスペックの比較をしてみる。

model YTX125 SALUTO
code 不明 2LP9
フィリピン インド
年式 2017年 2017年
全長 2040 mm 2035 mm
全幅 700 mm 700 mm
全高 1070 mm 1080 mm
シート高 800 mm 805 mm
軸間距離 1265 mm 1265 mm
最低地上高 170 mm 180 mm
装備重量 114 kg 112 kg
燃料容量 7.6 l 7.6 l
B×S 52.4×57.9 52.4×57.9
圧縮比 10.0 : 1 10.0 : 1
最高出力 6.0 kW 6.1 kW
最高トルク 10.2 Nm 10.1 Nm
ギア 4速 4速

多少出力が異なるが、エンジンは共通である。フレームも写真を見比べた限り後サスペンション部分以外は同じようである。

YTX125 フィリピン
YTX125
Saluto 2LP9 インド
Saluto YC125 2LP9

SALUTO ではチェーンケースが付いているが、YTX125 では採用を見送ったようである。BAJAJ の CT100 では採用されているし、スコールの多い地域なのであっても良いと思うのだけど、採用しないのは何か理由があるのだろうか。

数年したらフィリピンの Tricycle タクシーは YTX125 で溢れているかもしれない。少し楽しみである。

2017年6月25日追記
このフィリピン向け YTX125 は、モデル名が YD125U になり、モデルコードは BR2 となるようである。