今日は DT180 の年式についてを。本音を言うと、ブラジル製造のモデルなので、情報が少なくて避けたい気持ちもあるのだけど。
DT180 1996 2TW |
DT180 はブラジルで製造・販売されたモデルで、1983年モデルから発売されている。後に、フレームとエンジンを流用して、以前書いた TDR180 の発売にも繋がっている。
まずは、いつものようにモデルコード一覧を。手元の資料で確認できたものだけなので、これ以外にも出ている可能性もある。
code | name | year | country | remarks |
---|---|---|---|---|
5L9 | DT175 | 1981 | ブラジル | |
23K | DT180 | 1983 | ブラジル | |
42L | DT180L | 1984 | ブラジル | |
58W | DT180N | 1986 | ブラジル | |
2TW | DT180Z | 1988 | ブラジル | |
2TW | DT180Z | 1989 | ブラジル | |
2TW | DT180Z | 1990 | ブラジル | |
2TW | DT180Z | 1991 | ブラジル | |
2TW | DT180Z | 1992 | ブラジル | |
2TW | DT180Z | 1993 | ブラジル | |
2TW | DT180Z | 1994 | ブラジル | |
2TW | DT180Z | 1995 | ブラジル | |
2TW | DT180Z | 1996 | ブラジル |
2TW が続くのは、毎年カラー変更は行われていたが、ブラジルでは1990年代に入ってもモデルコード末に数字を付与しないで管理していたため。上の表の中に、1981年の DT175 5L9 が入っているのは何故かと言うと、排気量が DT180 と同じなので、入れることにした。TDR180 のページにも書いたが、もう一度おさらいすると、5L9 以外の DT175 と、DT180 のボア×ストロークは以下のもの。
name | bore × stroke | displacement |
---|---|---|
DT175 | 66.0 x 50.0 mm | 171.1cc |
DT180 | 64.5 x 54.0 mm | 176.4cc |
1981年のブラジル向け DT175 5L9 は他の DT175 とは違い、176.4cc のエンジンを搭載している。そのため、表の一番上に入れることにした。
このエンジンが最初に搭載されたのは、1980年にブラジルで発売された RX180 Custom 3V9 になる。RX180 は人気が出なかったのか、1983年の 5M2 が最終モデルとなった。本当ならここで RX180 の写真をペタッと貼りたいところなのだけど、まともなクオリティの写真がないので省略して。
RX180 のエンジンを少し発展させて、1981年に前述の DT175 5L9 が発売される。5L9 は実用モデルではなく、モノクロスサスペンションにタコメーターも装備したスポーツ志向モデルで、1983年からは DT180 と名前を変える。それから TDR180 の発売へと繋がっていく。
DT180 はそこで留まらず、フレームとエンジンを流用して1990年代に北米で RT180 が発売される。
RT180 1990 3VC1 |
ようやく写真を挿入することができた。この RT180 は US では 3VC のモデルコードで、カナダでは 4BN のモデルコードで1998年まで発売されていた。そんな RX180~DT175~DT180~TDR180~RT180 の流れとなっている。
DT180 のことなど書いたが、果たしてこの情報を必要とする日本人は何人いるのだろうかと考えてしまった。個人的にも 5L9 のパーツカタログとか、もう見ることなさそうだし。