XTZ250Z – Tenereの末弟

ヤマハの 250cc のモデルで一番乗りたいモデルは?と聞かれたら、XTZ250Z Tenere と答える。今日は、その XTZ250Z Tenere の話。

XTZ250Z 2013 53P6
XTZ250Z_53P6_C_00

XTZ250Z Tenere はブラジルで製造されている機種で、Tenere と名前が付けられているように、XT660Z Tenere のデザインを意識しているものになっている。

最初の質問の、250cc の乗りたいモデルについて、昨年までだったら、Touring SEROW とだいぶ迷っていたと思う。それが XTZ250Z Tenere になった理由は、今年のモデルチェンジにある。

XTZ250Z 2016 53PA
XTZ250Z_53PA_A_00

2016年の 53PA から、リアキャリアに LED テールランプ、クリアウィンカレンズを採用していて、荷物を積みやすくなった。

XTZ250Z_53PA_rear

他にも完全デジタルメータになるなどの変更もあり、カラーリングの質感もだいぶあがったように思える。

XT660Z Tenere にはブラジル向けの53P と、コロンビアなど向けの 2DD のモデルコードが存在する。53P モデルの写真付き一覧を。

code photo
53P1 (2011) XTZ250Z Tenere 53P1 A
XTZ250Z Tenere 53P1 B
53P4 (2012) XTZ250Z Tenere 53P4 A
XTZ250Z Tenere 53P4 B
XTZ250Z Tenere 53P4 C
53P6 (2013) XTZ250Z Tenere 53P6 A
XTZ250Z Tenere 53P6 B
XTZ250Z Tenere 53P6 C
XTZ250Z Tenere 53P6 D
53P7 (2014) XTZ250Z Tenere 53P7 A
XTZ250Z Tenere 53P7 B
XTZ250Z Tenere 53P7 C
XTZ250Z Tenere 53P7 D
53P8 (2015) XTZ250Z Tenere 53P8 A
XTZ250Z Tenere 53P8 B
XTZ250Z Tenere 53P8 C
XTZ250Z Tenere 53P8 D
53PA (2016) XTZ250Z Tenere 53PA A
XTZ250Z Tenere 53PA B
XTZ250Z Tenere 53PA C
XTZ250Z Tenere 53PA D

XTZ250Z のスペックを比較してみる。比較対象は、ブラジルの XTZ250 Lander と、日本の SEROW と。エンジンは同系のものなので、排気量やボア×ストローク、ギヤ数は省略した。

XTZ250 Lander XTZ250Z Tenere XT250 SEROW
全長 2125 mm 2135 mm 2100 mm
全幅 830 mm 830 mm 805 mm
全高 1180 mm 1375 mm 1160 mm
シート高 875 mm 865 mm 810 mm
最低地上高 275 mm 265 mm 285 mm
装備重量 143 kg 154 kg 130 kg
最高出力 15.2 kW 15.2 kW 14 kW
最高トルク 20.5 Nm 20.5 Nm 19 Nm
燃料容量 11 L 16 L 9.6 L
前タイヤ 80/90-21 80/90-21 2.75-21
後タイヤ 120/80-18 120/80-18 120/80-18

やっぱり重いけど、この燃料タンク容量は魅力的。
プレストが輸入してくれたら、心が揺らいでしまう。

SALUTO RX – 新型110ccエンジン

今日は4月に発売されたインドの SALUTO RX と、そのエンジンの話を。


販売台数でインド5位の座を Royal Enfield に奪われ、インドヤマハも危機感を感じたのでしょう。エンジンやフレームなど新設計をして、さらに往年の RX の名前を付けて SALUTO RX を出した。モデル名は、YC110D-A となる。

SALUTO RX 2016 B441
SALUTO RX B441

ライバルはホンダの LIVO や、TVS の Victor あたりになるが、スペック的には全体に負けている。燃費と価格で勝負するのがヤマハ戦略の手のようで。

このモデル以前の 110cc クラスには、CRUX や YBR110 といったモデルを発売している。年式は古いけど CRUX は今年の初めまで、YBR110 は昨年までラインナップにあがっていた。

CRUX 2012 5KAB
CRUX_5KAB_B_00
YBR110 2013 5TSK
YBR110_5TSK_B_00

これまでのエンジンは 106cc のもので、YBR125 などに採用されている 125cc エンジンのレイアウトと似ているもの。CRUX は YD110 というモデル名で、アフリカなどにも輸出されている。

インドで現行機種の SZ-RR ver.2, SALUTO と、今回の SALUTO RX に YBR110 の4機種の比較をしてみる。

SZ-RR ver.2 SALUTO SALUTO RX YBR110
全長 2050 mm 2035 mm 2020 mm 2040 mm
全幅 760 mm 700 mm 740 mm 715 mm
全高 1100 mm 1080 mm 1045 mm 1095 mm
シート高 800 mm 805 mm 785 mm 780 mm
装備重量 134 kg 112 kg 98 kg 126 kg
排気量 149 cc 125 cc 110 cc 106 cc
ボア×ストローク 58.0 × 57.9 52.4 × 57.9 50.0 × 56.2 49.0 × 56.0
ギア数 5 4 4  4
馬力 8.9 kW 6.1 kW 5.5 kW 5.6 kW
トルク 12.8 Nm 10.1 Nm 8.5 Nm 7.9 Nm
燃費 78 km/L 82 km/L
燃料タンク 14.0 L 7.6 L 7.2 L 13 L
価格 66664 52600 46400 46465

燃費は不明だけど、個人的には燃料タンクのせいで SALUTO RX よりも YBR110 の方が魅力的に見える。

最近のヤマハの100~150cc 空冷エンジンはストロークが 57.9mm のものが多かった。タイの SHARK や、インドネシアの JUPITER のような moped スタイルの 114cc エンジンもストロークが 57.9mm になっているぐらい。ここにきてストロークが 56.2mm の新開発のエンジンを出すのは、何か目論見があるのだろうか。その先にはアフリカがあるのかもしれない。

SALUTO_RX_B441_engine

どちらにしても、インドで再び5位に返り咲き、さらに上位に食い込んで欲しいところ。