GQX125 BW’Sの発売

モデルチェンジした MT-09 のことを書きかけたのだけど、他の web ページに書いてあること以上の情報がなかったため諦めた。なので、今日は台湾で発売された GQX125 [BW’S] についてを。

GQX125 2021 BBJ1 [BW’S]
GQX125 BBJ1

台湾では、新しい排出ガス規制、所謂七期が始まることにより、新モデル発売ラッシュとなっている。BW’S もモデルチェンジを行って、新しく発売された。


モデル名は GQX125 となり、モデルコードは BBJ が割り当てられて BBJ1 となった。表にするまでもないけど、恒例なのでいつもの表を。

code name year frame remarks
BBJ1 GQX125 2021 SEH51 BW’S

事前情報では5色の予定であったが、MAT BLACK 2 がなくなった4色の展開での発売となった。プラットフォームは GQR125 [CYGNUS GRYPHUS] と共通で、台湾ヤマハで云うところの M プラットフォームとなる。先日書いた LSF125 [Vinoora] ほどではないが、この新しい GQX125 [BW’S] もかなり特徴的なデザインとなっている。

GQX125 BBJ1

目を惹くのが、異径2灯のヘッドライトで、LED のように見えるけど両方とも 55W の H7 バルブとなっている。前ウィンカーは、前モデルから引き続きハンドルマウントされていて、この辺りは北米向けとの共通化のための意図もある。まだ継続発売されている YW125MS [BW’S R] と写真で比較してみる。

YW125 2019 2JS5 [BW’S R]
YW125 2JS5
GQX125 2021 BBJ1 [BW’S]
GQX125 BBJ1

丸目2灯やタイヤパターンの影響もあって、前の YW125MS [BW’S R] よりも BW’S らしくなった印象である。YW125MS [BW’S R] と諸元も比較してみる。せっかくなので、GQR125 [CYGNUS GRYPHUS] も入れて。

code 2JS5 BBJ1 B8R1
model YW125MS GQX125 GQR125A
frame SE734 SEH51 SEH11
country 台湾 台湾 台湾
year 2019 2021 2020
写真 YW125 2JS5 GQX125 BBJ1 GQR125 B8R1
車体寸法
全長 1910 mm 1920 mm 1935 mm
全幅 725 mm 760 mm 690 mm
全高 1100 mm 1150 mm 1160 mm
シート高 780 mm 785 mm 785 mm
最低地上高 125 mm 125 mm 125 mm
軸間距離 1305 mm 1340 mm 1340 mm
最小回転半径 2.0 m 2.0 m 2.0 m
重量
装備重量 118 ㎏ 127 kg 124 ㎏
タイヤ
前タイヤサイズ 120/70-12 51L 120/70-12 51L 120/70-12 51L
前タイヤ銘柄 KENDA K761A DURO HF903 DURO DM1203F
後タイヤサイズ 130/70-12 56L 130/70-12 56L 130/70-12 56L
後タイヤ銘柄 KENDA K761 DURO HF903 DURO DM1203
ブレーキ
前ブレーキ形式 油圧式シングルディスク 油圧式シングルディスク 油圧式シングルディスク
前ブレーキディスク径 245.0 mm 245.0 mm 245.0 mm
後ブレーキ形式 油圧式シングルディスク 油圧式シングルディスク 油圧式シングルディスク
後ブレーキディスク径 200.0 mm 230.0 mm 230.0 mm
エンジン
排気量 124.9 cc 124.7 cc 124.7 cc
ボア×ストローク 52.4×57.9 mm 52.0×58.7 mm 52.0×58.7 mm
圧縮比 10.0 : 1 11.2 : 1 11.2 : 1
オイル量(分解時) 0.90 L 1.00 L 1.00 L
オイル量(交換時) 0.85 L 0.90 L 0.90 L
変速比
1次変速比 1.000 1.000 1.000
変速比 2.500-0.768 : 1 2.384-0.749 : 1 2.384-0.749 : 1
2次変速比 10.677 10.208 10.208

重量がかなり増えてしまっているのが残念なところ。これまでの発売状況から、日本や北米でも発売されると思うので、来年あたりに日本でも見られるでしょう。

次回は、まだ決めていないけれど、ボヤボヤしていたら、MT-07 もモデルチェンジしてしまった。この時期は比較的落ち着いている筈なのだけど、COVID-19 の影響や排出ガス規制の影響で次々と新モデルが出ている状況。嬉しい悲鳴かな。

LSF125 Vinooraの発売

台湾で LSF125 [Vinoora] が発売された。最初見たときはショーモデルと勘違いしていたぐらいの外見で、これ本当に発売したの?と疑問に思えるぐらいとなっている。

LSF125 2021 BCC1 [Vinoora]
LSF125 BCC1

ホイールやエンジンなどは、LSR125 [RS NEO] などから流用をしており、台湾での所謂 S プラットフォームを採用している。S プラットフォームとしては5つ目のモデルとなる。


モデルコードは BCC が割り振られ、ベースモデルの Vinoora が BCC1 に、追加装備モデルの Vinoora M が BCC3 となっている。ほとんど書いてしまったけど、恒例なのでモデルコード一覧を。

code name year frame remarks
BCC1 LSF125 2021 SEH41 Vinoora
BCC3 LSF125Y 2021 SEH44 Vinoora M

何はともあれ、この外観である。タイの QBIX や、台湾の Limi のように独特のデザインが目を惹くモデルはあったが、この LSF125 [Vinoora] は売れるの?と心配になってくるぐらいのデザインで。

LSF125 BCC1

そして、ショーモデルかと思った理由に、1991年に東京モーターショーで発表された「FROG」の存在がある。FROG は電動スクーターであったものの、フロントマスクは Vinoora と近いデザインとなっている。

LSF125 2021 BCC1 [Vinoora]
LSF125 BCC1
FROG 1991
FROG

良く言えば、ショーモデルのデザインに近い形で発売する日が来た、悪く言えば、30年前のショーモデルデザインの延長上のモデルを出してしまった、となっている。

最初にちょっと触れた S プラットフォームについて説明をしておく。台湾製造のスクーターは、S~LL の4つのプラットフォームをベースにしている。この中の一番小さいのが S プラットフォームで、XC115C [Limi] や LSR125 [RS NEO] が S プラットフォームとなっている。LSR125 [RS NEO] の開発資料によると、S プラットフォームを採用したモデルは、以下の位置付けとしている。

LSR125 の開発
LSR125 の開発

Sporty: LSR125 [RS NEO]
Basic: XC115SC [JOG Sweet]
Fashion, Cool: XC115C [Limi]
Fashion, Cute: XC115N [CUXI]
これに、LSF125 [Vinoora] が加わった形となった。どんな分類とされるか不明で、「Fashion, Cute」 に入りそうな感じもあるが、CUXI は継続販売されるでしょう。

この LSF125 [Vinoora] は、他の国で発売されるか微妙なところ。欧州では2灯の同時点灯ができないため、せっかくの2灯は意味がなくなってしまう。日本では、このデザインが受け入れられるか言われると、厳しい。デザイン以外にアピールポイントがあれば、日本で発売も期待できそうなところだけど。

次回は、もう11月なので2020年モデル一覧にするかもしれない。でも、ちょっと早い気がするので、モデルチェンジした MT-09 のことか、モデルチェンジした BW’S 125 のことを書こうか考え中。