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CRUX Revの発売

昨日、ヤマハ発動機は CRUX Rev の発売を発表した。

YD110-1 CRUX Rev BY11
YD110-1 CRUX Rev BY11

ベースはインドの SALUTO RX で、アフリカ向けに外装などを変更したもの。製造もインドで行われるとあり、以前の YD110 (CRUX 等) と同じような扱いのようである。


モデル名はインドの SALUTO RX での YC110 とは異なり、YD110 を引き継いでいる。モデルコードはキャストホイール版が BY4 で、スポークホイール版が BY1 になる。
1つ不明なのが年式で、2017年かと思ったが2016年との情報もあり定かではない。表では2017年としておいたが、間違っている可能性がある。と言うことで、インドの SALUTO RX と、今回の CRUX Rev の表を。

code name year country remarks
B441 YC110D-A 2016 インド SALUTO RX
B442 YC110D-4 2017 インド SALUTO RX
BY11 YD110-1 2017 アフリカ CRUX Rev (スポーク)
BY41 YD110D-4 2017 アフリカ CRUX Rev (キャスト)
BX61 YC110D-4 2017 アフリカ YC-Z

何気にある YC-Z の話は置いて、まず CRUX Rev について。CRUX の名前は2001年にインドで発売された 5TM/5KA の YD110 から使われ始めた。この YD110 はインドの周辺国、フィリピン、中南米、ナイジェリアなどにも輸出された。エンジンは YBR125 のエンジンをスケールダウンしたもので、同じエンジンを搭載した YBR110 / Alba / Libero もあった。

YD110 CRUX 2010 5KAA
YD110 CRUX 5KAA

CRUX に使われていた 105cc エンジンは昨年に新しくなって 110cc の SALUTO RX 誕生となり、今回の CRUX Rev に繋がる。SALUTO RX と CRUX Rev を写真で比較してみる。

YC110D-4 SALUTO RX 2016 B441
YD110D-4 CRUX Rev BY41

話は少し変わって、CRUX Rev を調べていたときタンザニアでの商標登録の PDF が見つかった。そこにはヤマハ発動機が登録したものとして CRUX Rev と YC-Z が掲載されている。ここからが YC-Z の調査の始まり。
色々調べてわかったのは、SALUTO RX のアフリカ版ということ。YC-Z は SALUTO RX と同じようにライトカウルが付いて、グラブバー仕様のモデル。CRUX Rev が YD110 のモデル名を使っているに対して YC-Z は YC110 のモデル名を使っていることからも、SALUTO RX に近いものとわかる。これから 2017年モデルとして発売される予定のようである。

フィリピンでYTX125発売

今日、ヤマハ発動機で発表された CRUX Rev を書きたかったところだけど、その前にフィリピンヤマハで YTX125 が発売になったのでその話を。

YTX125
YTX125

今日、フィリピンヤマハのページに YTX125 が掲載された。まだフィリピンヤマハのページに STX125 があるが、YTX125 は実質的に STX125 の後継となるようである。


STX125 もそうなのだけど、YTX125 はフィリピンでよく見かける Tricycle 用に発売されるモデルで、Tricycle はタイなどでの tuktuk のように、タクシーの用途で使われる。実際には右側に船を付け、さらに屋根なども装着される。

BAJAJ CT100 Tricycle
CT100 Tricycle

YTX125 のページでもその Tricycle でのイメージ写真があり、屋根などが付けられている。

YTX125 Tricycle
YTX125 Tricycle

運転者の後側にも人を乗せるため、後サスペンションが2本付けられ、さらにパッセンジャー用の足置きが付けられている。

YTX125 サスペンション
YTX125 サスペンション

エンジン前のフレームには、船を接続する用の穴まで開いている。

YTX125 フレーム
YTX125 フレーム

モデル名は YTX125 になるようだけど、モデルコードは今のところ不明。
エンジンは STX125 で使われている YBR125 系エンジンではなく、インドの SALUTO と同じものを使っている。SALUTO の燃費を考えるとこのエンジンの採用は納得がいくが、YBR125 系エンジンが無くなって行くことには寂しさを感じる。

Saluto YC125 2015 2LP1
Saluto YC125 2015 2LP1

これまでフィリピンのモデルのいくつかはインド製造のノックダウン生産のようだったので、この YTX125 もノックダウン生産じゃないかと思われる。インドの SALUTO とスペックの比較をしてみる。

model YTX125 SALUTO
code 不明 2LP9
フィリピン インド
年式 2017年 2017年
全長 2040 mm 2035 mm
全幅 700 mm 700 mm
全高 1070 mm 1080 mm
シート高 800 mm 805 mm
軸間距離 1265 mm 1265 mm
最低地上高 170 mm 180 mm
装備重量 114 kg 112 kg
燃料容量 7.6 l 7.6 l
B×S 52.4×57.9 52.4×57.9
圧縮比 10.0 : 1 10.0 : 1
最高出力 6.0 kW 6.1 kW
最高トルク 10.2 Nm 10.1 Nm
ギア 4速 4速

多少出力が異なるが、エンジンは共通である。フレームも写真を見比べた限り後サスペンション部分以外は同じようである。

YTX125 フィリピン
YTX125
Saluto 2LP9 インド
Saluto YC125 2LP9

SALUTO ではチェーンケースが付いているが、YTX125 では採用を見送ったようである。BAJAJ の CT100 では採用されているし、スコールの多い地域なのであっても良いと思うのだけど、採用しないのは何か理由があるのだろうか。

数年したらフィリピンの Tricycle タクシーは YTX125 で溢れているかもしれない。少し楽しみである。

2017年6月25日追記
このフィリピン向け YTX125 は、モデル名が YD125U になり、モデルコードは BR2 となるようである。