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YTM225の年式~セローの露払

今日は珍しく、と言うか初めての ATV カテゴリのモデルで YTM225 についてを。本当のことを言うと、XT225 の年式を書こうと思っていたのだけど、ブラジル生産モデルが調べきれなかったので、YTM225 で露払を行うことに。

YTM225DR 1985 1EV
YTM225DR 1EV

1985年8月に XT225 セローが発売される。発売時の説明では XT200 のエンジンをスケールアップしたものとあったが、実はエンジンの一部を流用しているため、エンジンに対して「新設計」の文字はなかった。その流用元が今回の YTM225 である。


書きたいことが多いので、まずはいつものように年式一覧を。

code name year country rem.
29U YTM225DXK 1983 USA、カナダ、オセアニア
29U YTM225DXL 1984 USA、カナダ
29U YTM225DXN 1985 USA、カナダ、オセアニア
1EV YTM225DRN 1985 USA、カナダ、オセアニア
1NV YTM225DRS 1986 USA、カナダ、オセアニア
2FW YTM225DRT 1987 カナダ、オセアニア

XT225 セローのエンジンは、70.0 × 58.0mm のエンジンで、腰上はこの YTM225 からの流用である。シリンダーなどの部品で 29U で始まる部品番号があるのでそれが確認できる。しかし、YTM225 の装備がかなり特殊なのである。左からのエンジンの写真を見ると、一目瞭然であるが。

YTM225DX 1983 29U (エンジン)
YTM225DX 29U

まず、初年度の XT225 セローにはスターティングモーターが付いていなかったが、この YTM225 には装備されていた。それよりも、まずシャフトドライブなのである。これを見てしまうと、XT225 セローもシャフトドライブになるのではと夢が広がってくる。さらに、リコイルスターターが付いているので、発電機のようにロープに付いた取っ手を引っ張ってエンジンを掛けることができる。これもセローに付けることができれば、駐車場で注目の的になりそうである。その上、写真ではわからないが遠心クラッチなのである。

年式一覧を見るとわかるように、1985年に YTM225DX から YTM225DR となっている。この変更でさらに装備が追加される。

YTM225DR 1985 1EV
YTM225DR 1EV

まさかのリバースギアを搭載しているのである。これでバックで進むセローを夢見てしまう。ちょっと眺めた感じでは、セローにこのギアを簡単に収めることが出来なさそうな感じだけど、工夫次第ではなんとかなるかもしれない。

色々とセローに付けられないかなと考えてしまうような装備を持つ YTM225 であったが、発売期間は5年と短かった。その後、諸事情により四輪の YFM225 にバトンタッチすることになる。エンジンがセローの元となっていなければ、単なる ATV で注目はしなかったけど、良くも悪くもこんな形で取り上げることに。ヤマハは自動二輪車だけでなく ATV やスノーモービル、発電機、船外機、ジェットスキーなど、多岐に渡って製造しているので、思わるところでエンジンの流用があったする。全てを調べるのは大変だけど、意外な発見があったときはうれしいものである。

FZR400のカラー

ちょっと時間が開いてしまって、そうこうしているうちにヨーロッパで YZF-R125 の発表があったようで、未だチェックできていないが、今日は FZR400 のカラーについてを。

FZR400 1986 1WG
FZR400 1WG

GENESIS の文字が入った FZR400 をよく街で見かけた気がしていたのだけど、発売期間が10年もなかったのに少し驚いた。レーサーレプリカが流行った時代と共に発売されたとも言える。


いつものように FZR400 のカラー一覧を。各国の各年式が混ざるとわかり辛かったので、仕向け地ごとに一覧を分けてみた。それと、今回は諸事情により左前からの写真で揃えた。まずは日本向けから。

code year photo
1WG 1986 SILKY WHITE / FINE RED
FZR400 1WG A


FARAWAY BLUE
FZR400 1WG B


SILKY WHITE / DYNASTY BLUE
FZR400 1WG C
2TK 1987 SILKY WHITE
FZR400R 2TK A
3EN1 1988 SILKY WHITE
FZR400 3EN1 A


URUSHI BLACK
FZR400 3EN1 B
3EN2 1989 SILKY WHITE / FINE RED
FZR400R 3EN2 A


SHINE BLACK / FINE SILVER
FZR400R 3EN2 B
3TJ1 1990 SILKY WHITE / APPLE RED
FZR400RR 3TJ1 A


BLACK GOLD
FZR400RR 3TJ1 B
3TJ2 1990 SILKY WHITE / FINE RED
FZR400RRSP 3TJ2 A
3TJ6 1992 BLUISH WHITE COCKTAIL 1
FZR400RRSP 3TJ6 A
3TJ7 1994 BLUISH WHITE COCKTAIL 1
FZR400RRSP 3TJ7 A

続けて、北米向けを。1988年と1989年で同じカラーリングが使われているので、まとめている。北米向けはカリフォルニア向けの装備が違っているのだけど、これは後述することにする。

code year photo
3BF1 1988 SILKEY WHITE
FZR400U 3BF1 A
3BF2 1988
3BF3 1989
3BF4 1989
3FH1 1988 SILKEY WHITE
FZR400SUC 3FH1 A
3FH2 1989
3BF5 1990 NEW BLACK BLUE
FZR400A 3BF5 A
3FH3 1990 NEW BLACK BLUE
FZR400SAC 3FH3 A

最後、ヨーロッパ向けを。両者の外観上の違いは、ラベル類以外ではヘッドライトとリアフェンダーぐらい。4DX1 ではリアフェンダーから伸びているリフレクターがあるため、全長が長くなっている。

code year photo
4DX1 1992
UK
SILKY WHITE / APPLE RED
FZR400RR 4DX1 A
4DX2 1992
France
SILKY WHITE / APPLE RED
FZR400RR 4DX2 A

北米向けでは、USA とカナダ向けの装備と、カリフォルニア向けの装備が異なっている。まず、写真で見てみる。

FZR400U 1988 3BF1 (USA)
FZR400U 3BF1
FZR400SUC 1988 3FH1 (カリフォルニア)
FZR400SUC 3FH1

他のモデルのほとんどで、カリフォルニア向けにキャニスターが付けられているのみの違いだけど、FZR400 ではそれ以外にシングルシートに EXUP と、よりレーシーな装備となっている。シングルシートになったために、パッセンジャーステップも外されている。そのため、重量が軽くなっているかと確認してみると、カリフォルニア向けの方が 3kg 重くなっている。キャニスターと EXUP の重さが足を引っ張っているためである。

やっぱり、左前からの写真だとマフラーが見えないし、慣れないのもあって変な感じである。