SOQIとは

YZF-R1 の資料(英語)を眺めていたら、フロントフォークが 4C8 は KYB 製、14B は SOQI 製と書いてあった。V-MAX 向けに SOQI 製のフロントフォークがあるのは知っていたが、そもそも SOQI とはどこの会社なのか疑問に思って調べてみた。

YZF-R1 2009 14B1 Front Fork
YZF-R1 14B1 Front Fork

先に答えを言うと、SOQI は創輝株式会社のブランド名で、その創輝という会社は現在ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社になっている。創輝はヤマハモーターパワープロダクツになったが、サスペンションを含めた油圧製品については、ヤマハモーターパワープロダクツから分社したヤマハモーターハイドロリックシステム株式会社が製作している。


ヤマハモーターハイドロリックシステム株式会社(以下、YHS)の web ページには、「オーリンズブランドを冠した純正フロントフォークの共同開発・生産を請け負っています」とあるように、オーリンズブランドでの製造もおこなっている。簡単に言うと、「ヤマリンズ」などと呼ばれているもの。

YZF-R1M 2015 2KS1 Front Fork
YZF-R1M 2KS1 Front Fork

この YHS だが、創輝から調べてみるとホスクの名前が出てきたり、昌和製作所の名前が出てきたりとなかなか興味深い。簡単にだが、まとめてみた。

昌和製作所~創輝~ヤマハモーターパワープロダクツ

創輝の前身は昌和製作所と榛葉シボリ製作所で、ヤマハ発動機よりも古い会社である。榛葉シボリ製作所の「シボリ」は絞り加工のことで、金属板を圧縮加工する工法のこと。なので金属加工を行う会社ということがわかる。昌和製作所は日本高速機関を吸収合併しており、ヤマハの4ストロークモデル開発は、日本高速機関(ホスク)からの流れが大きく影響していたようである。

さらに、昌和製作所を創業した小島和三郎は、日本計算器販売という会社も創業しており、後のインテルのプロセッサに繋がっていき、と書いていきたいが話が違ってくるのでこの辺で。

HW125 Xenter 125の年式

今日は予告通り、HW125 についてを。ヤマハでは Xenter 125 の名前で、MBK では Oceo の名前で発売されていた。

HW125 2012 53B2 [MBK Oceo]
HW125 53B2 Oceo

エンジンは HW151 のボアを 6mm 減らしたもので、エンジン特性以外のスペックは HW151 と全く同じとなっている。


HW151 と同様に2011年末に発売され、一応現役のモデルである。ヨーロッパと南アフリカ向けのモデルなのだが、なぜか日本のグッドデザイン賞を受賞していたりする。ヤマハは日本での発売を考えていたのだろうか。そんな HW125 のモデルコード一覧を。

code name year country remarks
53B1 HW125 2012 欧州
53B2 HW125A 2012 フランス、スペイン MBK Oceo
53B3 HW125 2014 欧州
53B4 HW125A 2014 フランス、スペイン MBK Oceo
53B5 HW125 2016 欧州、南アフリカ
53B6 HW125 2017 欧州、南アフリカ

MBK Oceo はモデル名が HW125A となっているが、確認したところ ABS が付いているわけではない。これ以外に MotoGP という特別仕様が発売されたが、オプション装着車の扱いだったようである。
モデル数が少ないので、カラーリング一覧も。

code year photo
53B1 2012 BLACK METALLIC X
HW125 53B1 A


WHITE METALLIC 1
HW125 53B1 B


DULL BLUE 8
HW125 53B1 C
53B2 2012 BLACK METALLIC X
HW125 53B2 A


WHITE METALLIC 1
HW125 53B2 B
53B3 2014 BLACK METALLIC X
HW125 53B1 A


BLUISH WHITE COCKTAIL 1
HW125 53B3 B


MAT DARK YELLOWISH GRAY METALLIC 4
HW125 53B3 D
53B4 2014 BLACK METALLIC X
HW125 53B2 A


WHITE METALLIC 1
HW125 53B2 B
53B5 2015 GRAY METALLIC M
HW125 53B5 A


BLUISH WHITE COCKTAIL 1
HW125 53B3 B


MAT DARK YELLOWISH GRAY METALLIC 4
HW125 53B3 D
53B6 2016

写真で HW125 と HW151 の違いを比較しようとしたが、ヨーロッパヤマハは HW151 の写真を HW125 にも使いまわしているので比較にならなかった。別の言い方をすると、外観での違いは全くないということでしょう。見分けるには、サイドに貼られているステッカーを見ると良い。125cc 版は Xenter の横に 125 と貼られている。

HW125 ステッカー
HW125 53B6 Xenter sticker

ヨーロッパの国によってはまだ発売されているが、HW151 と同様に EURO4 の関係で在庫限りの販売でしょう。モデルチェンジするのか、後継が出てくるのかどうか、注目しながら。