最近、排気量が大きなモデルでのロシア向けを良く見かけるようになってきた。いつ頃から増えてきたのか、調べてみた。
まず、ロシアでの販売について調べてみると、2005年4月に YAMAHA Motor CIS という新会社が設立されたとある。ロシアでの販売はこの時期からのようで、モデルを確認してみると2005年から XT660X/XT660R がラインナップにあがっている。
創立初期は販売店も少ないだろうし、メインはスノーモービルとあるのであまり自動二輪車に力を入れてなかったのか、ラインナップは5年ほど XT660 のみだった。それも、モデルコードはロシア独自のものではなく、ヨーロッパと共通だった。
2012年から、XT660 以外の車種がラインナップにあがる。その中でも、XJ6N(20SH), XJ6S(36C8), XJ6SA(36D4), XP500A(59C7) がロシア向けのみのモデルコード。欧州向けとの違いを比較しようと思ったが、XJ6 の欧州向けは何故か2012年モデルがないので、欧州向け XP500A(59C2) と、ロシア向け XP500A(59C7) を比較してみることに。
4つほど違いがあった。
- ロシア向けは色が1色のみ(欧州向けは4色)
- ハンドルの部品番号が違っている(ロシア向け:59C-26110-01、欧州向け:59C-26110-00)、部品番号末尾なので部品改善か
- ロシア向けはインナーシールド中の部品にダンパが追加
- ロシア向けはリフレクタが無い
ハンドルとダンパについては、2013年の欧州向けに採用されているので改善された感じ。つまり、実質リフレクタの有無だけになる。わざわざ分ける必要があるのかなと思ってしまう。
最新の機種ではどうかなということで、MTM850(XSR900) の2016年モデルでも比較してみることにした。
- タンクのラベルが違う
- ロシア向けにはスロットルケーブルにクランプがある(北米版と同じ)
と、違いはほぼ無いようなもの。さらにロシア向けにもリフレクタが付いている。
モデルの違いはおいて、ここで1つ可能性が出てくる。例えば、ウラジオストックなどロシア極東でも発売されると、これまで北米やオーストラリア、南アフリカなどから逆輸入していたモデルが、ロシアから入ってくるようになるかもしれないこと。
距離が圧倒的に近いので、輸送費と言う面ではかなり有利である。果たして、そんな日が来るのだろうか。