今日の目標は、オイル交換をすること。
それと、今日の目標じゃないけど、一度は宿坊に泊まってみたいな、と思っている。
前日予約しないといけないところもあるので、今日は無理だけど。
54番の延命寺をお参りして、55番の南光坊に。
ここにきて初めて「寺」と付かない寺院に。
門には「日本総鎮守 三島地御前」と書いてある。
何だか神社の香りがするな、と思ったら隣は別宮大山祇神社だった。
57番の栄福寺に。
八十八箇所巡礼は、観光バスが行けない場所がいくつかあるので、
10人ぐらいの小ツアーの人をよく見かける。
場所によってはマイクロバスも厳しいので、ハイエースぐらいの車で回っている。
今治でオイル交換をしたかったけど、なかなかオイルが見つからなかった。
伊予小松でも見つからず、やっと西条のホームセンターで、ヤマルーブを発見。
オイル処理のパックもあるし、入り口にゴミ箱もあった。
完璧な条件だったので、ここでオイル交換。
お遍路の白衣を汚さないように気をつけながら。
戻る形で60番の横峰寺に向かう。
ここを登るには道路維持費という名目の通行料がかかる。
普通車は1800円と、かなり財布に痛い値段。
二輪車は350円。
車でのお遍路も、駐車場代とか色々お金が掛かって、大変みたいである。
横峰寺の駐車場で、初日からずっと同じようなペースで回って来ている団体さんと遭遇。
もう何回も会っているので、ガイドさんに「今日はどこまでですか?」と聞いて、
いつも参考にしている。
その団体の人から、名前を聞かれて、
「ルポライターの浅見です」
と冗談で答えたつもりだったが、
「浅見さんと言うのですか」
と信じている様子。
これはマズい。
十善戒の中に不妄語と言って嘘を言ってはいけないことになっている。
あわてて訂正した。
61番香園寺は、これまで見たようなお寺ではなく、現代的な建物。
体育館と言われても信じてしまうぐらい、立派で大きい。
中も天井が高く、般若心経を読んでいると声が響くので、ちょっと小声になって。
63番の吉祥寺の納経所前では、皇帝ダリアと「のぼたん」が咲いていた。
写真は、のぼたん。
最初、のぼたん、の看板を見て、花の名前じゃなくて愛称なのかと思った。
「のぼタン」みたいな感じで。
坂の上の雲で、秋山真之さんが正岡子規さんのことを「のぼさん」って呼んでいたのも、頭にあったのでしょう。
漢字で書くと野牡丹かな。
日が少しづつ短くなって、気温もだいぶ低くなってきた。
特に日没後は、走るのが辛くなってきている。
地図に「うちぬき」と呼ばれる名水100選の水があるらしいので行ってみた。
本当かどうか知らないけど、日本一おいしいのだとか。
畑の中を彷徨うこと20分、それらしき場所を見つけた。
誰も居なかったし、駐車場が坂になっていたので、坂に対して少し斜めに車体を止めた。
これが原因の始まりで。
水を飲んでいると、車に乗った写真に写っているおっさんがやってきた。
私は1杯飲んで、ペットボトル1本に入れるだけなので、とっとと退散の用意。
ペットボトルに汲んだ水を荷物の中に積み込んでいたら、さらにもう1台車がやってきた。
私のモーターサイクルがあるので、その車は駐車場に入って来れない。
そこで写真のおっさんが言い出した。
「お前、バイクをあそこの砂利のところにどけろよ」
と。
そんなこと言われて、いつもなら怒っているが、お遍路中は怒ることができない。
頭に上った血を少し抑えて。
「車体が倒れた場合の修理代をもってくれて、
砂利の中でも200キログラムある車体を起こしてくれるなら、そうします」と答えておいた。
さすがに相手は黙って、それ以上言わなくなったけど。
何と言うかね、車の人は車が偉いような感覚を持っているけど、
1利用者としては等しいのだし、そもそも今回はこの人は関係無い。
次の人は、このおっさんの水汲みが終わるまで待つことになるのは同じで、
お前が口出すな、という思いである。
こっちはもう出る用意してるのだしさ。
日本一おいしいかもしれない水だけど、この地元の人のおかげで、まずい水になった。
この先、宿坊があるお寺を調べると、75番善通寺だけである。
71番の弥谷寺から77番の道隆寺までは善通寺の10km圏内にあるので、
明日うまく回らなくてもその範囲内にいる気がするので、明日の宿は善通寺の宿坊に予約の電話をした。
途中で会った人に、宿坊はこの時期でも混んでいて宿泊できないことがある、と聞いていたので少し心配だったが、
問題なく予約できた。
明日の宿を確保したので、少し気分も軽くなった。
今日は64番の前神寺まで行けないかも、と思っていたので宿を新居浜のビジネスホテルにした。
しかし、前神寺まで回れたので、それだったらもう少し先の新長谷寺YHにすれば良かった、と思う。
そうすれば、明日の朝が楽だったのに。