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Vの後に何がくるのか

V の後と言われても意味が不明だろうけど、今日はパーツカタログのカタログ番号についてを。

カタログ番号
Parts Catalogue Number

カタログ番号にはルールがあって、そのルールがどうなっているのかを調べる感じで。


カタログ番号は web 版のパーツカタログや、中南米などでダウンロードできる PDF 版パーツカタログの表紙に描かれている。そのカタログ番号のルールを簡単に書くとこんな感じになる。

rule of Parts Catalogue number

上記の例は、2017年に発売された B7A1 の LTS125 アクシスZ のカタログ番号である。B7A1 は日本向けなので、1S の後は B7A010J となって、この年の最初のモデルなので最後に1が入る。例えば、2017年に同じ B7A だけど B7A2 のモデルコードとなるモデルが発売されたとする。そうすると、カタログ番号は 1SB7A010J までは同じと言うか、ルールなのでそうなる。そして末尾が A となって、1SB7A010JA となるルールになっている。

その末尾のルールについて、実際に見てみることにする。XVS250 ドラッグスター250 は、2017年に3つのモデルが発売されている。

XVS250 2017

それぞれのカタログ番号は以下のようになっている。

19D9 : 1S19D010J1
19DA : 1S19D010JA
19DB : 1S19D010JK

末尾については、1 → A → K となっていく。これはどんなルールかと言うと、数字、アルファベットの順番に並べたとする。アルファベットの I, O, Q は数字と紛らわしいので除外したとして、9 進めている感じになっている。

カタログ番号の末尾

なので、K の次は V となる。長かったけど、今日はその「V」のあとはどうなるのか、という話で。

とは言っても、同じ年式で同じモデルコードのモデルがそう何種類も発売されるのも稀なので、探すのが難しい。日本では、先日少し書いた CE50 3P3 JOG の2014年で8モデル出ており、V の後が確認できる。カタログ番号はこんな感じになっている。

3P3F 1P3P3010J1
3P3H
3P3G
1P3P3010JA
3P3J 1P3P3010JK
3P3K
3P3L
1P3P3010JW
3P3M 1P3P3010JX
3P3N 1P3P3010JZ

大変なことになっているが、まず V が使われず W となっている。それから Z は2と間違うのでモデルコードでは使われておらず、カタログ番号でも使われないものと思っていたが、まさかの登場となった。
V がない理由をある人に聞いてみたところ、3P3K / 3P3L がもっと早くに発売される予定だったが、何かが変更になったために発売が遅れた。その変更前の 3P3K / 3P3L が 1P3P3010JV だったのではという話。Y が抜けている理由はわからないとのこと。

なので、本来は 1 → A → K → V → W → X → Y → Z となるようである。

ヨーロッパではどうなのか。ヨーロッパ製造で同じ年式で同じモデルコードを使ったモデルを多く出しているのを探すのが大変なのだけど、意外なことに2014年の MT-07 が8モデルも出している。モデルコードは違ってくるが、ABS 無し/有りを考えると16モデルも出していたのである。

MT07 2014 1WS1
MT07 2014 1WS1

ABS 無しモデルの一覧を見てみると。

1WS1
1WS2
1N1WS300E1
1WS6
1WS8
1N1WS300EB
1WS7
1WS9
1N1WS300EK
1WSA 1N1WS300EV
1WSG 1N1WS300EY

1N1WS300EB は元々 1N1WS300EA だったようで、改定が多く入ったために 1N1WS300EB になった。と言うことで、ヨーロッパモデルは 1 → A → K → V → Y なる。2000年ぐらいまでは 1 → 5 → A だったりした。

次はインドモデル。頂いた情報によると2017年の YC125 2LP SALUTO は6モデル出ているようで、一覧にしてみる。

2LP7 1S2LP470E1
2LP9 1S2LP470EA
2LP5 1S2LP470EK
2LP8 1S2LP470EV
2LPB 1S2LP470E5
2LPA 1S2LP470EE

ややこしくなってきたが、1 → A → K → V → 5 → E と V の後は 1 と A の間の5、次に A と K の間の E と埋めていってる。

台湾では、最近のモデルだと2016年の XC115N 1SH CUXI で 1 → A → K → V まで確認できたが、V の後までは確認できなかった。台湾でこの進み方を始めたのは2011年ぐらいのことで、例えば2010年の XC125 17C [GTR] では 1 → A → 2 → B という進み方だったりと、以前は一貫性がないような感じであった。

ブラジルではどうかと見てみると、1 → A → B となっている。その先があるモデルは見つからなかった。さらにブラジルでは2014年の VMAX に 1NB25280P0 と付けたり、年式に他の国では使っていない Q の文字を使ったりと、統一感がないので正直言うとあまり触れたくない。

上記に書いたルールを知ると、発売中止になった「謎のモデル」が発売直前の段階まで来ていたなどの判断ができたりする。そんな未発売なモデルを知る手がかりの1つとして。

Special thanks to R Chand

モデルコードを知るには

今日はどうやってモデルコードを知るのか?の話を。書いていたらだいぶ長くなってしまったが。

XP530 2017 BX34 Japan
XP530 BX34

先日、年式を教えてくださいとか、モデルコードを教えて下さいと言った質問の書き込みがあった。私はそんなサービスをやっていないし、個人が趣味でやっていることなので、メールアドレスが書き込まれている人には「ヤマハに聞いてください」とあっさりと返した。


じゃ書いているモデルコードはどこから入手しているのか。そのやり方は、一言で言うと「大きな画像を探している」だけである。
例えば、昨日 YZF-R15 のモデルコードは「多分 BK6 になる」と書いた。なぜそうなったのかと言うと、まずインドネシアのヤマハにある YZF-R15 のページを見た。

YZF-R15 2017 インドネシアのページ

エンジンのシリンダーの写真が出ていた。シリンダーだけにしてみると。

YZF-R15 2017 シリンダー
YZF-R15 2017 シリンダー

よくよく見ると、文字が見えている。

YZF-R15 2017 シリンダー拡大
YZF-R15 2017 シリンダー拡大

これを見ると最初の文字は B か 3 に、二番目の文字は K か R に、三番目の文字は 6 か G だろうかとわかる。このエンジンは YZF-R15 で初めて使われたので、この英数字はモデルコードになっている可能性が高い。
次に別の画像を探す。インドネシアでは3月24日に YZF-R15 の披露会を行った。「大きい画像」を探して、見つけたのがこのメータ周りの写真。

YZF-R15 2017 メータ
YZF-R15 BK6 メータ

注目するところは、メータじゃなくてクラッチのケーブル。そこに部品番号が描かれている。

YZF-R15 2017 クラッチケーブル
YZF-R15 BK6 クラッチケーブル

これを見ても、BK6 だか BR8 だかに見える。他の画像も見ながら、これは BK6 だろうな、ということになった。

他にも2017年モデルの XP530 TMAX が出たときは、モデルコードが「未確認だけど BC3 になる」と書いた。このときも、発表時にプレスサイトが掲載した写真の中から、「大きな写真」をまず探した。それで見つけたのが、この写真。

XP530 BC31 TMAX DX
XP530 BC61 TMAX

何の変哲もない写真だけど、ドライブベルトを大きくしてみると。

XP530 BC31 TMAX DX ドライブベルト
XP530 BC61 TMAX ドライブベルト

BC3 という文字が確認できる。駆動系を一新しているし、BC3 はそれまでに使われていなかったので、ここは BC3 でしょうということになった。そんな感じで、「大きな画像を探して」モデルコードを類推しているに過ぎなく、一個人がモデルコードを知るにはこのぐらいの調べ方をしている。

本当にちゃんとしたモデルコードが知りたい場合は、新車時に貼り付けられている管理用のシールを確認するのが近道。XP530 TMAX SX の日本向けでは、こんな感じの管理用のシールが貼られている。

XP530 TMAX SX BX34 管理用のシール
管理用のシール

モデル名からモデルコードから色まで、きちんとした情報が得られる。
新車時の管理シールが確認できなくても、モデルコードのシールがシート下やメットイン内に貼られているので、それを見れば確認することもできる。

XC125E BF93 [AXIS TREET] モデルコードのシール
XC125E BF93 モデルコードのシール

2017年の MWS125 Tricity がヨーロッパで発表されたときにも、「大きい写真を探して」この写真があった。

MWS125 BR71 Tricity
MWS125 BR71 Tricity

メットインの中のモデルコードのシールを確認すると、見辛いが BR71 を確認できる。

MWS125 BR71 Tricity ラベル
MWS125 BR71 Tricity ラベル

それ以外でも参考になるのが、ガソリンタンクに貼られているシールや、空気圧などのタイヤ情報のシールである。

タイヤ情報シール
タイヤ情報シール

このシールの右下には部品番号が描かれている。新機種であった場合、この部品番号もモデルコードの参考となる。

タイヤ情報シール
タイヤ情報シール

モーターサイクルショーや展示会で、発売前のモデルを展示していることがある。そんな展示されたモデルを掲載している web ページを検索して、できるだけ「大きな画像」を探す。ほとんどが外観を写したものなので、「そんな写真はみんな撮ってるから、シート下とかシールの写真を」と心の中で思ってしまう。
そんな感じの私流モデルコードの知り方。