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ヨーロッパのDelightがLTS125に

昨日の AG125 のパーツカタログを見てみたときに気が付いたのだけど、いつの間にかヨーロッパ向けの D’elight がモデルチェンジしていた。

LTS125-C 2017 BW51 [D’elight]
LTS125-C BW51

プレスリリースもなく、気が付いたら排気量が上がってデザインも変わってしまった。MBK 扱いでも同様に FLIPPER が新しくなっている。


正確に言うとモデルチェンジか微妙なところなのだけど、FILANO/NOZZA ベースの XC115S だったものが、ACRUZO ベースの LTS125 になった。LTS125 は先日日本でも発表されたアクシスZと同じモデル名で、リア回りなどは共通である。

いつものように、モデルコード一覧を。せっかくなので、これまで発売されている LTS125 を揃えてみる。

code name year country made in pet name
2TD1 LTS125 2016 ベトナム ベトナム ACRUZO
2TD2 LTS125-F 2016 ベトナム ベトナム ACRUZO
2TS1 LTS125 2016 台湾 台湾 AXIS Z
2TS2 LTS125A 2016 台湾 台湾 AXIS Z
2TD3 LTS125 2017 ベトナム ベトナム ACRUZO
2TD3 LTS125-F 2017 ベトナム ベトナム ACRUZO
B7A1 LTS125 2017 日本 台湾 AXIS Z
BW51 LTS125-C 2017 ヨーロッパ、
南アフリカ
ベトナム D’elight
BW52 LTS125-C 2017 フランス、
ベルギー
ベトナム FLIPPER
(MBK扱い)

このヨーロッパ向け D’elight はベトナム製造のようで、ACRUZO をそのままもってきている感じ。D’elight と ACRUZO と比較してみる。

LTS125-F 2016 2TD2 [ACRUZO]
LTS125-C 2017 BW51 [D’elight]

ACRUZO と同じようにフロントタイヤが12インチで、リアタイヤが10インチになっている。日本向けのアクシスZにこのフロント12インチのタイヤとフォークが付くのかフレームを見比べてみたけど、簡単には無理そう。ヨーロッパの D’elight と日本のアクシスZをアニメーションで比較できるようにしてみた。

B7A1[AXIS Z] – BW51[D’elight]
AXIS Z - Delight

向きが微妙に違うけど、シートがだいぶ高いのがわかる。
せっかくなので、LTS125 であるベトナムの ACRUZO と、日本のアクシスZと諸元を比較してみる。

model LTS125-C LTS125 LTS125
pet name D’elight ACRUZO AXIS Z
code BW51 2TD1 B7A1
欧州等 ベトナム 日本
年式 2017年 2016年 2017年
全長 1805 mm 1805 mm 1790 mm
全幅 685 mm 685 mm 730 mm
全高 1145 mm 1145 mm 1145 mm
シート高 800 mm 785 mm 770 mm
軸間距離 1275 mm 1275 mm 1275 mm
装備重量 99 kg 99 kg 100 kg
燃料容量 5.5 l 5.5 l 5.5 l
前輪 90/90-12 90/90-12 100/90-10
後輪 100/90-10 100/90-10 100/90-10
B×S 52.4×57.9 52.4×57.9 52.4×57.9
圧縮比 11.0 : 1 11.0 : 1 11.0 : 1
馬力 6.2 kW 6.1 kW 6.0 kW
トルク 9.8 Nm 9.7 Nm 9.7 Nm

ヨーロッパモデルとベトナムモデルの馬力差はどこからのものか調べると、駆動系は同じようなのだけど、インジェクタ・マフラー・ECU が違うのでそこで差を出しているようである。

ベトナム向け ACRUZO のメットインの写真と、ヨーロッパ向け D’elight のメットインの写真とを見ると、国民性が出てるなと感じてしまった。

ACRUZO のメットイン写真
LTS125 2TD2 メットイン
D’elight のメットイン写真
LTS125 BW51 メットイン

ふと考えると、アクシスも日本製から台湾製に、そして世界モデルになったんだなと感心してしまう。これから D’elight がヨーロッパでどんな評価をされるのか、楽しみである。

AG125の詳細

昨日、パーツカタログのことを書いたが、そのときにフランスの部品情報検索に AG125 を見つけた。

AG125_BF82
AG125_BF82

フランスの部品情報検索では、他のヨーロッパの国の部品情報検索と違ってアフリカ向けのパーツカタログが見られる。これはコートジボワールやコンゴなど、アフリカでフランス語を使っている国向けに使われているようである。


そんなことで、アフリカ向け AG125 のパーツカタログが見られるようになった。車体色は DARK PURPLISH BLUE SOLID N とMATURE RED の2色。予想通り、シリンダーヘッドが 5VL の部品番号が付いたりしていて、中国製ということが確認できる。

AG125 シリンダーヘッド
2MD3261-R010

リアキャリアの部分は異なるがフレームを XTZ125 と共有するためにリンク無しのモノクロスサスペンションを採用し、キャブレターも XTZ125 と同じ MV28 を使っている。同様にスピードメーターも XTZ125 のものを使っていて、ヘッドライトはコロンビア向け YBR250 のものを使ったりと、よく言えばうまく流用させている感じである。

AG125 BF82
AG125 BF82

AG らしく、チェーンケースに左右サイドスタンドを備えているが、予想外だったのはライトスイッチとパッシングスイッチも付いていること。ライトスイッチだけならまだしも、農牧場を走るにはパッシングスイッチはいらないと思うのだけど、アフリカ向けなので公道も意識しているのかもしれない。ホンダの CTX200 はオーストラリア向けでも、公道走行可のモデルと公道走行不可のモデルがあるらしいので、この AG125 は公道走行のことも考えられているようである。

パーツカタログの中で、1つ謎のモデルコードが確認できる。それは低速に振られた1速のプライマリとセカンダリギアで、部品番号は以下のもの。
B7H-E7411-00
B7H-E7211-00
B7H というモデルコードはこれまで見たことがない。B から始まるので最近のモデルコードなのはわかるのだけど、そもそもこんな低速に振ったギアを使用する機種は AG125 以外にあるのかというところも疑問である。
これから発売される機種かもしれないので、どんな機種なのか期待しながら待ちたい。

久しぶりの新しい AG モデルなので、発売が楽しみである。うまく入手できないかと少し画策していたりする。