XJ600とFJ600の年式

XJ600S の年式と XJ600N の年式は書いたのに、何故 XJ600 の年式を書いてないのだろうと考えること30秒、思い出した。XJ600 の兄弟車というか北米向けの FJ600 の情報が手元にあまり無いからだった。1980年代が入ってくると情報的にかなり苦しくなる。とは言っても、書けるモデルもだいぶ少なくなってきたので、今日は FJ600 と XJ600 の年式についてを。

XJ600 1991 3KM5
XJ600 3KM5 A

XJ600 はヨーロッパとオーストラリアで1984年に発売されたモデルで、8年ほど発売されていた。その後は、後継の XJ600S [Diversion] へと繋がる。一方の FJ600 は北米で1984年に発売されたモデル。1980年代の頃から北米とそれ以外の地域でモデル名が違うという面倒なことが起きていたことになる。


モデルコードが北米向けの FJ600 の方が先なので、まずは FJ600 の年式一覧を。

code name year country remarks
49A FJ400L 1984 USA
49G FJ400L 1984 カナダ
51K FJ400LC 1984 カリフォルニア
49A FJ400N 1985 USA
49G FJ400N 1985 カナダ
51K FJ400NC 1985 カリフォルニア
3RC1 FJ400W 1985 カナダ
3RC2 FJ400A 2018 カナダ

続けて、XJ600 の年式一覧を。1990年の扱いを迷ったが、1991年モデル以降を「ドイツ向け」、それ以前は「西ドイツ向け」とした。

code name year country remarks
49F XJ600RL 1984 オセアニア
51H XJ600 1984 西ドイツ
51J XJ600 1984 欧州
51H XJ600 1985 西ドイツ
51J XJ600 1985 欧州
51H XJ600 1986 西ドイツ
51J XJ600 1986 欧州
3KM1 XJ600 1989 欧州
3KM2 XJ600 1989 スペイン
3KN1 XJ600 1989 西ドイツ
3KM3 XJ600 1990 欧州
3KM4 XJ600 1990 スペイン
3KN2 XJ600 1990 西ドイツ
3KM5 XJ600 1991 欧州
3KM6 XJ600 1991 スペイン
3KN3 XJ600 1991 ドイツ、スウェーデン

この FJ600 と XJ600 を写真で比較してみる。ついでに、見た目が似ている XJ400ZE も入れて。

FJ600 1984 49A
FJ600 49A
XJ600_1984 51J
XJ600 51J
XJ400ZE 1984 53U
XJ400Z 53U

ガソリンタンクや外装など、かなりの共通部分がある。日本国内で、FJ600 や XJ600 を見かけたら、XJ400ZE かなと思ってしまうぐらいである。タンクなどは、1984年の XJ400ZE からの流用というよりも、その前の1983年 XJ400Z 33M からの流用である。

次回は XJ600 と FJ600 のカラーにしたいところだけど、FJ600 は省略するかもしれない。

MTM155[XSR155]の整備情報

知り合いが MTM155 [XSR155] を買ったとかで、困っていることがあるか尋ねたら、後付けパーツの入手のし辛さと、整備するための情報がない、という返事だった。後付けパーツについてはどうにもできないけど、整備情報ならということで、今日は半分私信になるけど XSR155 の整備情報を。

MTM155 2020 B1V1 [XSR155]
MTM155 B1V1

MTM155 [XSR155] は2019年にタイで発売されたモデルで、モデル年としては2020年モデル。その後インドネシアでも発売されている。輸入している業者があるため、日本でも入手が容易で、ここのところの 150cc 前後の排気量の静かなブームもあって、そこそこ売れているようである。


日本に入ってきているのはタイ向けの B1V のようであるけど、比較の意味も含めてインドネシア向け BBS を入れた整備情報の表を。

code B1V1 BBS1
model MTM155 MTM155
country タイ インドネシア
year 2020 2020
エンジンオイル
推奨オイル ヤマルーブ ヤマルーブ
SAE 粘度 10W-40 10W-40
グレード SG以上、MA SG以上、MA
エンジンオイル量
フィルタ無交換時 0.85 L 0.85 L
フィルタ交換時 0.95 L 0.95 L
分解時 1.05 L 1.05 L
冷間時バルブクリアランス
IN 0.10~0.14 mm 0.10~0.14 mm
OUT 0.21~0.25 mm 0.21~0.25 mm
点火栓
種類 NGK MR8E9 NGK MR8E9
冷却水量
ラジエターと総経路 0.49 L 0.49 L
リザーブタンク 0.15 L 0.15 L
バッテリー
種類 YTZ4V YTZ4V
ウィンカー
バルブ種類 F BAU15S 12V 10W T13 12V 10W
バルブ種類 R BAU15S 12V 10W T13 12V 10W
冷間時タイヤ空気圧
1名時 フロント 225 kPa 225 kPa
1名時 リア 250 kPa 250 kPa
2名時 フロント 225 kPa 225 kPa
2名時 リア 250 kPa 250 kPa
ブレーキディスク
使用限度厚 F 3.5 mm 3.5 mm
使用限度厚 R 4.0 mm 4.0 mm
フロントフォーク
オイル ヤマルーブ
サスペンションオイル 01
ヤマルーブ
サスペンションオイル 01
左側量 314.0 cc 314.0 cc
右側量 356.0 cc 356.0 cc
チェーンたわみ量
乗車時 30.0~40.0 mm 30.0~40.0 mm
リアショック伸び時 25.0~30.0 mm 25.0~30.0 mm

インドネシア向け BBS1 のウィンカーバルブは、パーツカタログの番号では T13 なのだけど、パーツカタログのイラストでは BA15S のように描かれている。MTN155 [MT-15] では T13 なので、それを流用してしまった誤記の可能性が高いが、実際はどちらなのか不明なためにパーツ番号の方を記している。

表を見て、えっと思ったことがある。左右のフロントフォークのオイル量が違うことである。いやいや、と思って確認したけど間違っておらず、まさかと思ってパーツカタログで確認すると、フロントフォークのバネが入っているのは左側だけで、右側はバネ無しだった。その昔、GT50 (ミニトレ)などでは片方だったけど、今の時代、それも倒立フォークでそんなコストダウンするのかと驚いた。パーツカタログを眺めて、タイ向けの MTM155 [XSR155] フロントフォークのパーツ番号は MT-15 と同じであったので、ひょっとしてと思って確認すると、MTN155 [MT-15] も同じでようにバネは片方だけだった。ただし、MTN155 [MT-15] でもインド製の MTN155 [MT-15] は正立フォークで、バネが両方に入っている。この片側のみバネの倒立フロントフォーク、一体どんな挙動をするのだろうか。

ということで、今日は半分私信となってしまったけど、他に困っている人もいるかもしれないということで。