CE50 JOGの年式1

今日は CE50 JOG の年式のうち、1980年代に発売された CE50 についてを。1980年代なので、情報が少なくて大変だけど。

CE50E 1986 1RN [JOG]
CE50E 1RN

CE50 [JOG / PERLA] は1983年に発売された。軽量ボディに手頃な価格もあって、日本では1年2か月で30万台を売り上げるほどの人気となった。その日本向け CE50 [JOG] は、「ペリカンジョグ」とも呼ばれているモデルで、フロントフェンダーからボディに繋がる形状からそんな名前が付いた。また、一部の国では PERLA というペットネームがついているが、これはスペイン語で真珠の意味である。


そんな 1980年代の CE50 [JOG / PERLA] の年式一覧を。表を見るとわかるように、日本向けが中心となっている。

code name year country remarks
27V CE50E 1983 日本 JOG
46V CE50E 1983 ベネズエラ、ドミニカ、
南アフリカ
JOG / PERLA
48F CE50E 1984 日本 JOG
51W CE50E 1984 ベネズエラ PERLA
1HH CE50ES 1985 日本 JOG
1KX CE50ES 1985 日本 JOG
1RN CE50E 1986 日本 JOG
1UV CE50S 1986 USA RIVA JOG
2EX CE50E 1986 日本 JOG
2HE CE50T 1987 USA RIVA JOG
2KE CE50ET 1987 豪州 JOG
2UG CE50T 1987 カナダ RIVA JOG

モデルコード 46V のペットネームについては、南アフリカ向けが JOG で、ベネズエラとドミニカ向けが PERLA となっている。せっかくなので、日本、ベネズエラ、USA 向けの JOG / PERLA を写真で見てみる。

CE50E 1983 27V [JOG] 日本
CE50E 27V
CE50E 1983 46V [PERLA] ベネズエラ
CE50E 46V
CE50S 1986 1UV [RIVA JOG] USA
CE50S 1UV

48V / 51W では前かごが標準装備で、日本の 27V などでオプションとして販売されていた 27V-W0722-00 が使われている。同様にサイドスタンドも標準装備となっている。
USA 向けでは写真を見るとわかるようにビルトインウィンカーが採用されず、前後ともに飛び出した形状のウィンカーとなっている。さらにストップランプもビルトインではなく最後部に移されている。これは法規的な制限の影響で、カナダ向けとオーストラリア向けでも同様の装備となっている。

CE50S 1986 1UV [JOG]
CE50S 1UV

パーツカタログを眺めていて、シリンダーヘッドに見慣れない部品とパイピングがあった。追ってみると、バイメタルの文字があったので思い出した。この頃のオートチョークはバイメタルを使ったもので、そのためパイピングがバイメタルを経由していたりして複雑化している。この CE50 では自動二輪車初の大気温センサー付きオートチョークが装備されていた。そんな時代を感じさせる機構があった1980年代の CE50 [JOG / PERLA] は、その後 CG50 へと引き継がれていく。

次回は台湾向け CE50 [FANCY JOG] の年式にしようと思ったが、4モデルしかなくあっさり終わってしまうため、2005年以降の CE50 の年式としたい。

CE50 JOGの年式の前に

そろそろヤマハ製最後の JOG が新車で手に入らなくなってきたので、今日は CE50 の年式を書こうと思った。せっかくの機会なので、1980年代からの CE50 についてにしようかと。そうすると、大きな分類の仕方と、JOG 以外も含まれているので、その説明が必要だなと。

CE50E 1983 27V [JOG]
CE50E 27V

奇しくもヤマハ製 JOG の歴史は CE50 で始まり、CE50 で終わることに。その間、CJ50 CHAMP や、YA50 AXIS など 50cc クラスのモデルが出ては消えていく中、35年も販売していた息の長い販売名であった。ヤマハと言えば JOG と言う人も多いのではないかと思う。


実をいうと、タイトルに CE50 JOG と書いてしまっているが、CE50 でも JOG ではない名前のモデルもあり、奥が深いもの。まずはその CE50 について、大きく3つに分けることにする。

CE50 の大分類

  • 1980年代の初代 JOG と PERLA
  • 2005年から2009年まで台湾で発売されていた FANCY JOG
  • 2007年から2017年まで日本で発売されていた JOG

FANCY JOG については、資料によって JOG FANCY となっていたりしているが、ここでは FANCY JOG で統一することに。2007年から日本で発売された JOG は FANCY JOG をベースにしたもので、近い存在といえるもの。
写真で各モデルを比較してみる。

CE50E 1983 27V [JOG]
CE50E 27V
CE50N 2009 41P1 [FANCY JOG]
CE50N 41P1
CE50 2007 3P31 [JOG]
CE50 3P31

1980年代の CE50 では、PERLA という日本人には聞きなれないペットネームも付けられていた。これはベネズエラやドミニカで販売されたときのペットネームで、スペイン語での発音で「ヨグ」になるのを嫌ったのか、現地での商標とぶつかったのか不明だが、JOG の名前は使われなかった。

CE50E 1983 46V [PERLA]
CE50E 46V

南アフリカでは JOG の名前のままで販売された。北米でも JOG の名前が付けられていたが、スクーターは RIVA シリーズとしての位置付けがあったため、正確には RIVA JOG と言う名前での販売であった。そんな初代 JOG でもある1980年代の CE50 は1987年が最終年式となり、日本では CG50 へ引き継がれた。

その18年後、台湾で2005年に CE50 [FANCY JOG] が発売となる。女性をターゲットとしていたモデルで、カタログに女性モデルを掲載したり、ピンク色のカラーがあった。

CE50 2006 1P42 [FANCY JOG]
CE50 1P42 brochure

2007年にその FANCY JOG をベースに日本で JOG シリーズが発売される。フロント周りは異なるもののリア回りはほとんど同じで、ステップボードにパッセンジャー用足置きの突起があるのは流用の名残である。

CE50 2017 3P3S [JOG] ステップボード
CE50ZR 3P3S

復活した CE50 JOG も2017年モデルが最終となり、2018年モデルからホンダ製の CEH50 JOG となった。

次回はまず1980年代の CE50 [JOG / PERLA] の年式についてを。1980年代なので、少し時間がかかるかもしれないけど。